
米議会が来年度の歳出法案をめぐる合意に至らず、連邦政府が部分的にシャットダウン(一時的な業務停止)に陥る可能性が高まっている。金融市場でも再び警戒感が広がり、背景には移民・税関執行局(ICE)を巡る強硬な取り締まりへの反発が重なった。
28日(現地時間)までに複数の米主要メディアが報じたところによると、民主党は党内協議を踏まえ、シャットダウン回避策としてICE改革案を提示した。改革案には、捜査官による路上での「徘徊型」取り締まりの停止や、令状運用ルールの厳格化などが盛り込まれている。捜査官のマスク着用を禁じることに加え、ボディカメラの使用を義務づける内容も含まれ、身分の透明性を高めたうえで手続きと責任を強化し、過度な強制執行を抑える狙いがあるとみられる。
民主党は、ミネソタ州ミネアポリスでアレックス・プレッティ氏が死亡した事件を受け、ICEを所管する国土安全保障省(DHS)の予算を切り分けて扱う案や、ICE権限を抑制する措置の必要性を訴えてきた。今回、改革要求へと議論を集約した形となる。
一方、民主党は要求が受け入れられなければ予算案の成立に同意しない構えを崩していない。これに対しホワイトハウスは否定的で、関係者は、資金手当ての期限が迫る中での要求は「部分的な政府閉鎖を望むのと同じだ」との趣旨で不満を示した。共和党内でも民主党案に反対する空気が強い。
今回の歳出法案パッケージには、ICE予算100億ドル(約1兆5,400億円)を含め、国土安全保障省や国防総省、保健福祉省など複数の連邦機関を支える5法案が盛り込まれた。31日午前0時1分までに成立しなければ、公共安全や国家安全保障などの必須業務を除き、関係機関の業務が停止するとされる。
合意可能な法案を先に通したうえで、ICE予算だけを切り離して別途扱う「分離成立」案も取り沙汰されている。ただ、下院が休会中であることに加え、共和党側には分離そのものが危険な前例になりかねないという警戒もある。
部分的シャットダウンの観測が強まる中、ドル相場も不安定さを増している。主要6通貨に対するドルの強さを示すドル指数(ドルインデックス)は27日の取引中に95.58まで下落し、95台を付けたのは約4年ぶりとされる。
緊張の中心となっているミネソタ州では、州内に本社を置く企業も沈静化を促す動きを見せ始めた。大手小売りターゲットの次期CEO(2月就任予定)であるマイケル・フィデルケ氏は26日、従業員向けの動画メッセージで、地域で起きている暴力と人命損失を「非常に痛ましい」と述べ、安全確保を最優先課題に掲げたうえで、状況打開に向けて複数の指導者と会っていると説明した。ここ数週間、同社ではICEの取り締まり強化を巡り、社内の情報共有が不十分だとして従業員側の不満も出ていたという。
また、ミネアポリスとセントポールを指す「ツインシティ」地域では、出勤への不安から欠勤する小売り従業員も一部で出たとされる。世論の悪化が指摘される中、ミネソタ州の大手企業60社超のCEOが週末に公開声明を出し、地方当局と連邦当局の間で「即時の緊張緩和」を求めた。














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