
ドナルド・トランプ米政権の一方主義に対抗し、外交関係の多角化を図ろうとするヨーロッパの動きが加速している。
「ニューヨーク・タイムズ(NYT)」や英紙「ガーディアン」など海外の主要メディアによると、欧州の外交当局者は、米国を依然として中核的な同盟国と位置づけつつも、米国への過度な依存は避けるべきだとの姿勢を繰り返し示している。トランプ政権2期目に入り、関税圧力の強化やウクライナ停戦を迫る動き、さらにはグリーンランド併合を示唆する発言などが相次いだことで、戦略的自立の必要性や代替的な同盟関係を構築する緊急性が、欧州側で改めて意識されるようになった。
EU(欧州連合)とインドは先月27日(現地時間)、自由貿易協定(FTA)を通じて、自動車を含む貿易品目の90%以上について関税を引き下げ、もしくは撤廃することで合意した。両者はあわせて「安全保障・防衛パートナーシップ」も締結し、防衛産業分野での協力や防衛政策の調整を拡大する方針を確認した。このFTA交渉は2007年に開始されたものの、長期間にわたり停滞していたが、トランプ政権による無差別的な関税圧力が交渉加速の一因となった形だ。
トランプ大統領は昨年、インドによるロシア産原油の購入などを理由に、インドからの輸入品に50%の関税を課した。また、欧州に対しても、貿易交渉が妥結した後なお、グリーンランドへの派兵をめぐる問題を背景に、8カ国に25%の関税を課すなど、強硬姿勢を続けてきた。
EUは先月29日、ベトナムとの関係を、外交協力の最高段階とされる「包括的戦略的パートナーシップ」へと格上げした。EUが東南アジア諸国の中でこのような関係を結ぶのは、ベトナムが初めてとなる。アントニオ・コスタEU首脳会議常任議長は、「国際規則に基づく秩序が様々な面で脅かされているこの時点で、両国は信頼でき、予測可能なパートナーとして共に歩む必要がある」と述べた。
欧州は、米国と対立する中国に対しても関係強化に動いている。昨年12月には、フランスのエマニュエル・マクロン大統領が就任後4回目となる中国訪問を行った。これに続き、アイルランドのミホル・マーティン首相やフィンランドのペッテリ・オルポ首相も相次いで中国を訪問している。
EU加盟国ではないものの、英国のキア・スターマー首相も先月29日、英国首相としては8年ぶりに中国を訪問し、習近平国家主席と協力関係の強化を確認した。これを受け、中国は英国産ウイスキーに対する関税を10%から5%に引き下げ、英国人旅行者に対しては30日以内の滞在に限り、ビザ免除措置を認める方針を示した。
また、英製薬大手アストラゼネカは、中国への150億ドル(約2兆3,300億円)規模の投資を約束した。さらに、ドイツのフリードリヒ・メルツ首相も、就任後初めてとなる今月24日に中国を訪問する予定だ。
米ブルッキングス研究所のロバート・ケーガン上級研究員は米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」に対し、「トランプ氏は、過去70年間にわたり大きな衝突なく維持されてきた国際秩序を支えてきた、米国と同盟国との間の信頼関係を損なった」と指摘した。その上で、「たとえ米国で政権交代が起きたとしても、同盟国が再び以前のように米国を信頼する可能性は高くない」との見方を示した。
ただし、欧州が米国から真に「自立」するのは、なお容易ではないとの見方も根強い。技術や安全保障、貿易の各分野で、欧州は依然として米国の役割に大きく依存している。金融・通貨面でも、ドルを中心とする国際秩序に代わる明確な選択肢は示されていない。
ロシアによるウクライナ侵攻をめぐっても、欧州がロシアを抑止するうえで米国の支援は不可欠となっている。さらに、EU内部における利害の相違や意思決定の遅さも、欧州の構造的な制約として指摘されている。
















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