
中国は、香港企業「CKハチソン・ホールディングス」が保有していたパナマ運河の運営権を無効としたパナマ最高裁の最近の判決に対し、連日強い反発を示している。中国側は、ドナルド・トランプ米大統領が昨年1月の再就任以降、「中国資本からパナマ運河を取り戻す」と繰り返し主張し、パナマ政府に圧力をかけてきたことが、今回の最高裁判断に影響を与えたとして不満をあらわにしている。
中国はこのほか、オーストラリア北部のダーウィン港の運営権や、オランダの車載半導体企業「ネクスペリア」の経営権を巡っても、両国政府と対立している。中国側は、こうした動きの背後にも米国の影響力が及んでいると主張している。
デンマーク領グリーンランドの併合を示唆するなど「米国第一主義」を貫くトランプ大統領と、「一帯一路」構想を通じて世界各地のインフラや主要な戦略資産に投資してきた中国との衝突は、今後も続くとの見方が浮上している。
中国、パナマ最高裁判決に「米国の意思が作用」と反発
2日、中国外務省は「中国企業の正当な権益を守るため、必要なあらゆる措置を講じる」と述べ、パナマ最高裁の判決に対して不服を申し立てる可能性を示唆した。
中国共産党系紙「環球時報」は3日付の社説で、「米国の地政学的な意思が、一部の主権国家の憲法さえ無視している」と批判し、今回の最高裁判断には米国の影響力が反映されていると主張した。
これに先立ち、先月29日、パナマ最高裁は「CKハチソン・ホールディングス」が保有していたパナマ運河の運営権を無効とする判断を示した。この判決により、パナマ運河内のバルボア港など2施設を運営していた同社は、2047年まで延長されていた運営権を失うこととなった。
米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」は、トランプ大統領の再任期間中、西半球の主要国が中国との関係の在り方を再検討する可能性があると分析している。トランプ政権は、最近公表した国家安全保障戦略(NSS)および国家防衛戦略(NDS)において、中南米など西半球での影響力拡大と、敵対勢力を抑制する必要性を強調している。
トランプ大統領は昨年初めの再就任直後から、中国資本がパナマ運河を支配していることに公然と不満を示してきた。マルコ・ルビオ米国務長官も、就任後初の海外訪問先としてパナマを選ぶなど、運営権の奪還に向けた強い姿勢を繰り返し示している。
米中、豪州・オランダでも代理戦
他の主要な西側諸国も近年、中国を巡り主要な戦略資産の扱いで緊張関係にある。
オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相は先月27日、同国北部の地政学的要衝であるダーウィン港を訪問し、「ダーウィン港の所有権を取り戻すことは国益にかなう」と述べ、「最善を尽くす」と強調した。
2015年、オーストラリア北部準州政府は、今後99年間のダーウィン港の運営権を、当時5億600万豪ドル(約510億円)で、中国政府と関係があるとされる中国の民間企業「ランドブリッジ」に譲渡した。その後、米国はオーストラリア側に対し、契約の破棄を強く求めてきた経緯がある。
ダーウィン港は、中国の南シナ海進出を抑制し得る戦略的要衝とされ、周辺には米海兵隊も駐留している。2021年に、中国抑制を目的とした米英豪の安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」が発足して以降、ダーウィン港の運営権回収を求める米国の圧力は一段と強まった。
米国は「AUKUS」を通じてオーストラリアに原子力潜水艦を譲渡する方針を決めている。そのため、「ダーウィン港の運営権を早急に取り戻さなければ原子力潜水艦は譲渡しない」と、オーストラリア側に条件として突きつけることが可能な局面を迎えている。
また、昨年9月にはオランダも中国のIT企業「ウィングテック」が保有する半導体会社「ネクスペリア」の経営権を事実上剥奪した。これについては、同年6月に米国が「ネクスペリアの張学政CEOを交代させなければ、自国の輸出規制対象リストに加える」と圧力をかけたことが影響したとの見方が出ている。
「環球時報」は、これら一連の事態はいずれも米国という「見えない手」によって左右されたものだとした上で、オーストラリアとオランダが米国の利益に基づく国際秩序を擁護しているとして不満を露わにしている。
















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