
ポーランド軍が国家機密保護を理由に軍事施設への中国製車両の進入を禁止する措置を講じた
ポーランド軍は、国家機密の保護を目的に、軍事施設への中国製車両の進入を禁じた。中国製の「コネクテッドカー」(通信機能でインターネットに接続される車)が、政府の意図次第で情報収集に悪用される懸念があるためである。
ポーランド軍は18日、先端センサーや通信システムを備えた現代の車両は、管理が及ばない形で機密データを収集・利用し得るとの認識を示した。そのうえで、位置情報の取得、映像撮影、音声録音といった機能を持つ車両について、軍事区域への立ち入りを禁じる方針を明らかにした。あわせて、中国で生産された車両の各種システムに軍用携帯電話を接続する行為も統制するとしている。
コネクテッドカーは、レーダーや各種センサー、高解像度カメラなどを通じ、走行情報にとどまらない大量のデータを収集し、外部に送信できる特性を持つ。こうした特性から、車両経由で得られた敏感な情報が当局側に共有される可能性や、ハッキングを通じて妨害・破壊工作に転用される恐れが以前から指摘されてきた。
今回の措置の背景には、近年ポーランドで中国ブランド車の販売が急増し、懸念が強まってきた事情がある。日刊紙「ジェチポスポリタ」によると、2025年に新規登録された乗用車のうち、中国ブランドは全体の14.5パーセントを占めた。上海汽車集団(SAIC)傘下の電気自動車ブランド「MG」は販売台数で現代自動車(ヒョンデ)やシュコダを上回り、北京汽車集団(BAIC)も登録台数でボルボやアウディなどの欧州勢を追い抜いたという。
安全保障環境の緊迫化も判断を後押ししたとみられる。ウクライナ軍事侵攻以降、ポーランドはロシアとベラルーシによるサイバー攻撃に継続的にさらされてきた。さらに、ロシアと中国の接近を受け、機密情報の共有につながりかねないとの懸念もくすぶっている。ポーランド東方研究センター(OSW)は最近の報告書で、中国の高度なサイバー攻撃能力や「軍民融合」の方針を踏まえると、コネクテッドカー技術が攻勢的に活用される可能性は否定できないとの見方を示した。欧州の道路を走る中国製車両が収集したデータが、ロシア政府に共有される危険性も高まっているという。
北大西洋条約機構(NATO)の主要国では、中国製コネクテッドカーを安全保障上のリスクとして扱い、規制を進める動きが広がっている。英国国防省は2025年から、中国製部品を含む一部車両について、機微な区域や軍事訓練基地への立ち入りを禁じた。米国も2026年3月から中国製コネクテッドカー関連のソフトウェアの使用を禁止し、2029年にはハードウェアまで全面禁止する方針を示している。













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