
ドナルド・トランプ米大統領がイランに対する軍事的選択肢を検討する中、対イラン軍事行動は過去のベネズエラ作戦と比べてはるかに複雑で、危険性も高いとの分析が出ている。
ニューヨーク・タイムズ(NYT)は21日(現地時間)、専門家の見解として、イランは広範なミサイル戦力と代理勢力を有しており、短期間で目標を達成したベネズエラ作戦とは次元が異なると報じた。
米国はこれに先立ち、ベネズエラの首都カラカスでニコラス・マドゥロ前大統領を電撃的に拘束する作戦を実行していた。
しかしイランは、中東で最も強力なミサイル戦力を保有する国の一つと評価されている。
国際紛争分析機関である国際危機グループ(ICG)のイラン専門家アリ・バエズ氏は、「イランに関しては低コスト・低リスクの軍事的選択肢は存在しない」とした上で、「米国人の生命が危険にさらされる現実的なリスクがある」と指摘した。
英国を代表するシンクタンク、チャタム・ハウスの中東・北アフリカ・プログラム担当ディレクターを務めるサナム・バキル氏も、イランの戦略について、複数の戦線で不安定を拡散させ、コストと損失を分散させることにあると分析した。
報道によると、イランの中距離弾道ミサイルは1200マイル(約1900キロ)以上の飛行が可能で、中東全域の米軍基地やイスラエル、湾岸諸国を射程に収めている。ドローンや対艦ミサイルなどの非対称戦力も、相当な水準にあるとみられている。
またイランは、レバノンのヒズボラやイエメンのフーシ派など、いわゆる「抵抗の枢軸」を通じて地域での影響力を拡大してきた。これらの勢力は、米国がイランを攻撃した場合、米軍基地や同盟国に対して報復に出る可能性があると指摘されている。
イラク国内の親イラン民兵も、米国の軍事行動が現実となれば対応に乗り出す可能性があると警告しており、局地的な攻撃が複数の戦線へ拡大するとの懸念が出ている。
地理的条件も大きな要因となる。イランの首都テヘランはペルシャ湾から約400マイル(約640キロ)内陸に位置しており、海上戦力を基盤とした迅速な「斬首作戦」は現実的に容易ではないとの見方がある。
さらにイランは、世界の原油および液化天然ガス輸送量の約20%が通過するホルムズ海峡の封鎖の可能性を示唆してきた。エネルギー情報会社Vortexaの海上リスク・情報責任者クレア・ジョンマン氏は、海峡が封鎖された場合、エネルギー価格が急騰する可能性があると指摘した。
こうした要因を踏まえ、専門家は、イランに対する軍事的選択は短期的な解決策になりにくく、米国を長期かつ広範な地域紛争へと引き込む恐れがあると警告していると、NYTは伝えている。
















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