
米軍は、イラン製自爆ドローン「シャヘド-136」を逆設計した使い捨て攻撃ドローン「ルーカス(LUCAS)」を中東に配備し、実戦運用の準備を完了したことが確認された。低コストかつ大量生産可能な長距離打撃手段として本格的に運用する動きで、核協議が進む中でイランへの戦略的圧力を強化する狙いと見られている。
ブルームバーグ通信は26日(現地時間)、米中央軍(CENTCOM)が自爆ドローン部隊である「スコーピオン・ストライク任務部隊(TFSS・Task Force Scorpion Strike)」の作戦準備を完了し、中東地域に配備したと報じた。TFSSは、米中央軍特殊作戦司令部(SOCCENT)傘下の部隊で、ドローンの運用と試験、前進基地の構築任務を遂行する。米軍はルーカスドローンを他の軍事資産と共に前進配備しており、対イラン作戦時には初の実戦投入が想定される。

昨年12月には、ルーカスドローン1機が中東に配備された米海軍沿岸戦闘艦USSサンタバーバラの甲板から離陸試験に成功したとされる。このドローンは車両移動式発射台と投石機、ロケット補助離陸方式など多様な発射手段をサポートし、展開の柔軟性が高いのが特徴だ。
シャヘド-136を逆設計した「ルーカス」

ルーカスは米軍が確保したシャヘド-136の実物を基に逆設計したプラットフォームで、長さ約3m、翼幅約2.4mの三角翼(デルタ翼)構造を持つ。開発は、米国のアリゾナ州の防産業者スぺクトリーワークス(SpektreWorks)が担当し、1機あたりの単価は約3万5,000ドル(約550万円)程度で、シャヘドドローンとほぼ同水準である。
このドローンは自律飛行と多重協調(スウォーミング)運用をサポートし、集団攻撃が可能だ。長距離作戦と視線外運用が可能であり、中東全域の広い作戦区域で活用できると米中央軍は説明している。最大搭載重量は約18kg程度で、攻撃可能な目標には一定の制限がある。
シャヘド-136はイランが開発した長距離自爆ドローンで、ロシアがウクライナ戦争で大量運用し、その威力を証明した。近年、イランと親イラン武装勢力は米軍基地とイスラエルを相手にシャヘド系ドローン攻撃を繰り返してきた。
「イランの戦術を逆手に取る」

軍事専門誌ウォゾーン(TWZ)は、ルーカス配備について「イランが拡散させた低コスト自爆ドローン戦術を米国が逆に活用する事例だ」と分析した。
ハドソン研究所のブライアン・クラーク研究員は、「ルーカスドローンがイラン国内のミサイル生産施設や発射基地、道路網など分散した目標を攻撃するのに効果的な手段となる」と評価した。
米軍はこれまで、数千万ドルの巡航ミサイルと精密誘導兵器に依存してきたが、最近では低コストの武器を大量投入して防空網を圧倒する戦略に転換している。ルーカス配備は、この戦略変化の代表的な事例として評価されている。
専門家は、「数十万ドル以上のミサイルの代わりに数万ドル程度のドローン数百機を同時に投入すれば、敵の防空網を飽和させる量的圧力戦術が可能だ」と分析している。
中東の緊張要因となる可能性

ルーカス配備は、核交渉が進行する状況でも米国が軍事的選択を維持していることを示す信号として解釈される。特にトランプ政権がイランに対する圧力を維持する中で自爆ドローン戦力を前方配備したことは、軍事的警告としての意味が強い。
イランやその代理勢力がドローン攻撃能力を拡大する中、米軍が対応戦力を実戦配備したことは、中東地域の緊張を高める要因として指摘されている。今後、ルーカス運用範囲が拡大する場合、中東の安全環境に新たな変数として作用する可能性がある。
















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