
米国のドナルド・トランプ大統領による訪中(当初3月末を予定、現在は1か月程度の延期を要請中)を前に、北朝鮮と中国の間で関係改善の動きが加速している。新型コロナウイルスの流行により2020年1月から中断されていた平壌―北京間の旅客列車が今月12日に運行を再開したのに続き、中国国際航空(エアチャイナ)による直行便も30日から再開される見通しだ。
中国の業界関係者や現地メディアによると、エアチャイナの北京―平壌便は毎週月曜日の週1回運航され、機体はボーイング737が投入される。北朝鮮の高麗航空は2023年8月に、貨物列車は2022年1月にそれぞれ運行を再開させていたが、今月に入り旅客往来のインフラが相次いで復活した形だ。
こうした動きは、昨年9月に北朝鮮の金正恩総書記が中国の「抗日戦争勝利80周年」記念行事で習近平国家主席と会談し、関係回復を約束してから約半年で具体化した。北朝鮮はこの2年間、ロシアとの関係を優先し、平壌―モスクワ間の旅客列車や直行便を先行して再開させてきたが、ここへ来て中国との距離を再び縮める姿勢を鮮明にしている。
米中・米朝対話を見据えた戦略的接近
中国側には、トランプ氏の訪中に合わせ、北朝鮮を自国の影響圏に繋ぎ止めておきたい思惑がある。トランプ氏は13日、韓国のキム・ミンソク国務総理との会談で、金総書記との再会について「訪中時になるか、その後になるかは分からない」と述べ、米朝対話の可能性を排除しなかった。習主席としては、米朝が直接接触する前に北中関係を固めることで、対米交渉におけるカード(てこ)として北朝鮮問題を利用する狙いがあるとみられる。
米調査会社「ユーラシア・グループ」のジェレミー・チャン氏は、「中国は貿易や観光を通じて北朝鮮を再び自国の影響圏に取り込む戦略に回帰している」と分析する。これは、北露関係の深化による相対的な影響力低下や、米韓による対北接触の動きを牽制する意図があるという。
一方、北朝鮮にとっては、中国との関係修復を通じて観光やエネルギー分野での経済支援を確保したい考えだ。「South China Morning Post(SCMP)」は、北朝鮮が観光開発を経済成長の柱に据えており、元山葛麻海岸観光地区や三池淵のホテル建設などを背景に、中国との協力拡大が重要な契機になると指摘している。
トランプ氏は16日、対イラン軍事作戦への対応を理由に訪中の1か月延期を表明したが、習主席との「良好な関係」を強調しており、北中両国はこの猶予期間を利用して、さらに戦略的な連携を強めるものと予想される。
















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