
2026年内に無人車両サイバーキャブ(Cybercab)の発売を計画しているテスラが、フランスの小規模な飲料卸会社による商標出願で思わぬ足止めを受けている。
米ウォール・ストリート・ジャーナルは16日(現地時間)、テスラがフランスの飲料会社ユニベブを相手取り、「サイバーキャブ」の商標を巡る係争を続けていると報じた。
サイバーキャブは、テスラが投入を予定している自動運転ロボタクシーだ。4月に量産を始め、年内の発売を目指しているものの、ユニベブがテスラに先立って同名の商標を出願したことで、法廷闘争に発展した。
ユニベブの共同オーナーであるジャン=ルイ・ランタリ氏は、テスラCEOのイーロン・マスク氏のX(旧ツイッター)投稿にたびたび反応し、決算説明会にも参加するほどの熱心なテスラ支持者として知られていた。過去には、マスク氏をコルシカ島に招いて食事を振る舞いたいと提案したこともあったという。
そのランタリ氏が一転して、テスラより先にサイバーキャブの商標登録へ動き、今回の争いの発端をつくった。
マスク氏は2024年4月23日の決算説明会で「サイバーキャブ」の名称を使ったが、ランタリ氏はその6日後、フランスで同名の商標を申請した。一方、テスラが米国で商標を出願したのは6か月後の2024年10月で、車両公開の直後だった。
国際商標制度の優先権ルールに基づき、ユニベブ側の申請が先行扱いとなった。このため、米国特許商標庁(USPTO)はテスラ側の商標手続きを保留している。
ユニベブ側は、この名称を自動車やボート、航空機など自社の輸送手段に使う計画があると主張している。ただ、同社が実際に車両を製造した記録は確認されていないとされる。
テスラはUSPTOに提出した書面で、ユニベブを「テスラのファンとして出発しながら、悪意ある商標侵害者へと変わった存在」と位置づけた。そのうえで、「サイバーキャブの名称を商標登録しようとする試みは明白な詐欺だ」と強く反発している。
法律の専門家の間では、ユニベブが実際に自動車を生産していないことを立証できれば、テスラが勝訴する可能性は高いとの見方が出ている。とはいえ、訴訟が2027年まで長引けば、サイバーキャブの生産計画に影響が及ぶおそれがある。海外市場への投入でも、マーケティング面の制約を受ける可能性があるとみられている。
ミシガン大学のジェシカ・リットマン教授は、ユニベブについて「テスラを困らせるためにこうした行動に出たように見える」と指摘した。さらに、法的な厄介事が大きくなれば、テスラが相手企業の買収に動く可能性もあるとの見方を示した。
ユニベブによるテスラ関連の商標狙いは、今回が初めてではない。
同社はこれまでに「サイバー・ダイナー」、「ウィズ・ア・タッチ・オブ・マスク」など、テスラやマスク氏に関連する商標を20件以上出願している。
2021年には、テスラが企画したテキーラの限定ブランド「テスラキラ」をユニベブが先回りして押さえ、商標争いでも勝利した。その結果、テスラは商品名を「テスラ・テキーラ」に変更して発売することになった。













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