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「あの貧しい国が、ここまで来たのか」配給制の国が世界20位へ…30年で何が起きた

荒巻俊 アクセス  

引用:depositphotos
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一世代前、ポーランドは砂糖と小麦粉を配給制で分配していた国だった。当時の国民の賃金は西ドイツの10分の1程度に過ぎなかった。しかし現在、ポーランド経済は年間1兆ドル(約158兆6,400億円)以上の生産規模を記録し、スイスを抜いて世界第20位の経済規模へと成長したとAP通信が16日(現地時間)報じた。

これは1989〜1990年の共産主義崩壊後に経済体制を転換してから、30年余りで成し遂げた成果だ。経済学者たちは、ポーランドの成長が一般市民に繁栄をもたらす経済発展モデルの好例となり得ると評価している。ドナルド・トランプ政権もこうした実績を踏まえ、ポーランドが今年開催される主要20カ国(G20)首脳会議に招待されるべきとの立場を示しているとAP通信は伝えた。

こうした変化は、ポズナン出身のエンジニア、ヨアンナ・コワルスカ氏の歩みにも表れている。人口約50万人のポズナンは、ベルリンとワルシャワの間に位置する都市だ。コワルスカ氏は米国で5年間勤務した後、母国へ帰国した。

同氏はAP通信とのインタビューで、「ポーランドに戻ったことを後悔していないかとよく聞かれるが、実際はその逆だ。多くの分野でポーランドが米国を上回っている部分もある」と語った。

現在コワルスカ氏はポズナン・スーパーコンピューティング・ネットワーキングセンターに勤務し、ポーランド初のAI(人工知能)ファクトリー構築プロジェクトに携わっている。このプロジェクトは量子コンピューターと統合されるシステムで、EU(欧州連合)プログラムを通じて整備された設備が活用されるとAP通信は伝えた。

またコワルスカ氏はポズナン工科大学を卒業後、マイクロソフト(MS)に勤めるために渡米した。当時その職場を「夢が叶った」と表現していた同氏だったが、「使命感を持ちにくかった」と振り返る。特にAI技術がポーランドで急速に発展している状況が帰国の動機になったとも述べた。
経済専門家たちはポーランドの成功要因として、強固な制度の構築とEU統合を挙げる。ワルシャワのコズミンスキー大学のマルチン・ピオントコフスキー教授は、独立した司法制度、公正な競争のための規制、安定した金融システムが経済成長の基盤になったと説明した。

同教授はこうした制度的基盤のおかげで、一部の旧共産圏諸国に見られた腐敗や新興財閥中心の経済構造を回避できたと指摘した。

ポーランドはまた、EU加盟前後に数十億ユーロの補助金を受け取り、2004年のEU加盟後は欧州単一市場へのアクセスが可能になった。

IMF(国際通貨基金)によれば、ポーランドの1人当たりGDPは2025年時点で5万5,340ドル(約880万円)となり、EU平均の約85%水準に達した。1990年の6,730ドル(約107万円)(当時のEU平均の38%)から大幅に上昇した数字だ。

企業部門でも成長事例が生まれている。1996年にポズナンで設立されたバス製造会社ソラリスは、現在欧州の電気バス市場で約15%のシェアを占めるまでに成長したとAPは報じた。

一方、ポーランドには依然として解決すべき課題もある。低出生率と高齢化により、今後の労働人口減少が見込まれる。また平均賃金は依然としてEU平均を下回っている。

専門家たちは今後、ポーランド経済がイノベーションと技術産業を中心に新たな成長段階へと移行すると見通している。

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