
米国とイスラエルによる対イラン軍事作戦の一環として、韓国から転用された在韓米軍のTHAAD(高高度ミサイル防衛)をめぐり、米当局が明確な説明を避けていることから、安全保障の空白への懸念が高まっている。
米国のマイケル・ダフィー国防次官(調達・維持担当)は17日(現地時間)、米連邦議会下院外交委員会の公聴会に出席し、アミ・ベラ議員(民主・カリフォルニア)から、在韓米軍のTHAAD再配備がどの程度続く見通しかを問われた。
これに対しダフィー次官は、「韓国との同盟を維持し、あらゆる能力を提供することに全面的に取り組んでいる」としたうえで、「具体的な再配備の期間については把握しておらず、言及できない」と述べた。
また、韓国から一部のTHAADシステムが中東へ再配備されている事実には触れず、「資産を柔軟に再配置できる点が、我々のシステムの強みだ」と強調した。
ベラ議員は、過去のTHAAD配備をめぐり中国が講じたいわゆる「限韓令」などの報復措置に言及し、「北朝鮮はいまなお軍事的示威を続けている。この状況で再配備の見通しが不透明なのは深刻な懸念だ」と指摘した。
在韓米軍の防空体制の一部転用をめぐる問いに明確な回答を避けたのは、ダフィー次官に限ったことではなかった。

ジョニー・オルシェフスキー議員(民主・メリーランド)が「今回の再配備が一時的なものだと韓国に確約したのか」と問いただすと、スタンリー・ブラウン国務次官補(政治・軍事担当)は「その議論には関与しておらず、詳しくは分からない」と答えた。
また、米国防総省と国務省の高官らは、「THAADが不在の状況で今回の再配備が朝鮮半島およびインド太平洋地域の抑止力にどのような影響を及ぼすのか」との質問に対しても、「明確な見解はない」「自分の担当分野ではない」などとして、いずれも即答を避けた。
事実上、国防総省と国務省の高官が、在韓米軍の防空システムに関わる問題についてそろって明言を避けた形だ。
朝鮮半島だけでなく中国への影響も懸念する米当局
こうした米政権高官の対応に対し、民主党議員らは対中抑止力の弱体化への懸念を示した。
オルシェフスキー議員は「トランプ政権はわずか4カ月前、国家安全保障戦略(NSS)で『中東が米国の外交政策を左右してきた時代は終わった』と宣言し、『力によって中国とインド太平洋地域を抑止する』と約束していた」と指摘した。

続けて「東アジアに配備されていた最先端のミサイル防衛システムを撤収し、中東の危機対応に充てることが、いかにNSSの戦略を支えるのか全く理解できない」と強調した。この発言に対し、公聴会に出席していたトランプ政権の高官らは一斉に口を閉ざした。
オルシェフスキー議員は「THAADの再配備は同盟国だけでなく、中国に対しても誤ったシグナルを送ることになる」と強く指摘した。
韓国の安圭伯国防部長官「THAADの転用、顕著な変化なし」
一方、韓国国防部は、在韓米軍の防空体制の再配置が主要戦力に大きな影響を与えるものではないとの認識を示した。
安長官は17日、国会国防委員会で、中低高度ミサイル防衛システムのパトリオットや高高度防衛システムのTHAADが中東へ転用されているのかとの質問に対し、「慎重に見ている」としたうえで、「一部の微調整はあり得るが、主要戦力に有意な変化はない。過度に懸念する必要はない」と述べた。

これに先立ち、韓国の李在明大統領も10日、青瓦台で国務会議を主宰し、「在韓米軍が自国の軍事的必要に応じて一部の防空兵器を持ち出すことについて、我々は反対の意向を示しているが、それを全面的に貫徹できないのも現実だ」と述べた。
続けて「(在韓米軍の防空兵器が移動したとしても)これによって対北朝鮮抑止戦略に支障が生じることはない」とし、「懸念すべき状況では全くない」と強調した。
李大統領のこの発言は、中東情勢により在韓米軍の戦力が一部移動した場合でも、韓国の独自戦力で十分な抑止力を維持できることを示すとともに、自主国防の重要性を強調したものとみられる。
















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