
イランによる弾道ミサイル攻撃の一部をイスラエルの防空網が防ぎ切れず、これまで高い評価を得てきた同国のミサイル防衛体制に対する不安が国内で広がっている。戦争の長期化による疲弊も重なり、戦闘継続の必要性をめぐる世論もやや弱含んでいる。
米紙ニューヨーク・タイムズは22日、イランが発射した弾道ミサイル2発が、イスラエル南部ネゲブ砂漠に近いディモナとアラドに着弾したと報じた。周辺には核研究施設や原子炉があり、戦略上の要衝として、国内でも特に強力な防空網が整備されている地域とみなされている。
問題視されているのは、イスラエル軍が2度にわたって迎撃を試みながら阻止できなかった点だ。軍当局は原因究明に着手したものの、具体的な内容は明らかにしていない。軍内外では、技術面の限界や運用上の問題に加え、イラン側のミサイル戦術の変化が複合的に影響した可能性が取り沙汰されている。
とりわけ今回の攻撃では、空中で複数の小型弾頭に分離するクラスター弾頭方式が使われたと伝えられている。既存の防空網では対処が難しくなる要因の一つと受け止められている。
イスラエルは、「アロー3」、「ダビデスリング」、「アイアンドーム」による多層防衛体制を構築している。アロー3は最大2,400キロメートル圏で大気圏外迎撃を担い、ダビデスリングは約300キロメートル級の中距離防衛を担当する。アイアンドームは高度4〜70キロメートルで短距離ロケットを迎撃するシステムで、各国で広く運用されている。
イスラエル軍は、イランの弾道ミサイルに対する迎撃率が90%を超えると主張している。一方、専門家の間では、どれほど高度な防空網でも100%の迎撃は不可能だとの見方が根強い。迎撃ミサイルの在庫不足を懸念する声も再び浮上しており、昨年のイランとの12日間の衝突で相当量の迎撃資産が消耗したとの分析が背景にある。
イスラエル国防省は、長期戦に備えた準備は十分だとしている。もっとも、最近になって高官が米国を訪れ、迎撃ミサイルの支援を要請していたことが伝わり、負担は確実に増しているとの見方も出ている。
長引く戦闘に対する国民の疲弊も顕著となってきた。イスラエル国家安全保障研究所(INSS)の世論調査によると、イラン政権が崩壊するまで戦争を続けるべきだとの回答は、戦争初期の63%から最近は54%に低下した。レバノン侵攻の効果についても、48%が懐疑的な見方を示している。
ただ、そのような状況下でも、イランとの戦争自体に対する支持率は80%以上を維持しており、軍事行動への基本的な支持基盤はなお保たれている。
















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