
香港が、外国人居住者はもちろん訪問客にも電子機器のパスワード提出を義務付けたことで、国際的な波紋が広がっている。在香港・マカオ米国総領事館が米国民向けの安全警報を発令すると、中国は在香港米国総領事を呼び出して強く反発した。
パスワードを提出しなければ最大1年の禁錮
28日付のSCMPによると、香港では香港国家安全維持法43条の施行規則が改正され、警察に求められた場合、電子機器のパスワードや解読方法を提出しなければならなくなった。改正規則は今月23日に官報へ掲載され、その日のうちに施行されている。2020年に中国が香港国家安全維持法を導入して以降、関連する施行規則が本格的に改められたのは初めてとなる。
提出を拒めば、最大1年の禁錮または10万香港ドル(約204万円)の罰金が科される。虚偽の情報や誤解を招く内容を示した場合はさらに重く、最大3年の禁錮と50万香港ドル(約1,020万円)の罰金が科される。
今回の改正では、警察トップが特定の団体を外国の政治組織またはその代理人と判断した場合、関連情報の提出を求められる権限も盛り込まれた。国家安全を脅かすとみなされたオンラインコンテンツに対し、削除を命じる権限も新たに付与されている。
米国の安全警報に中国が即座に反発
こうした改正が明らかになると、在香港・マカオ米国総領事館は直ちに米国民向けの安全警報を出した。
警報では、この規定が香港滞在者だけでなく、香港国際空港を経由する米国民にも適用されると警告した。あわせて、当局が国家安全に関わると判断した場合には、個人の端末を押収・保管する権限も拡大したと伝えている。
これに対し、中国はすぐに対抗措置に動いた。在香港米国総領事を呼び出し、直接抗議したのである。
中国外交部駐香港特派員公署は声明で、強い不満と断固たる反対を示したうえで、米国側に対し、いかなる形であれ香港問題や中国の内政に干渉する行為を直ちにやめるよう求めたと明らかにした。一方、米国領事館側は、外交的接触の具体的内容には言及しないとの立場を示している。
香港政府も、外国機関や一部メディアが今回の改正について、誤解を招く情報や過度に一般化した説明を広めているとして強い遺憾を表明し、事実関係の訂正に乗り出した。
「無差別な取り締まりではない」…香港政府が火消し
香港政府の報道官は、通常、警察が電子機器を捜索するには、その機器に国家安全違反の証拠が入っていると疑う合理的根拠が必要であり、裁判所の令状も求められると説明した。
さらに、法的な許可が下りた後に限って、特定の人物にパスワードや解読方法の提供を求めることができるとし、街頭で無差別に市民の携帯電話やパスワードを求めることはないと強調した。
香港当局は今回の改正が香港基本法と権利章典に合致するとの見解も示している。英国やシンガポールなどでも同様の規定が運用されていることを、その根拠として挙げた。
こうした国では、パスワードの提供を拒んだ場合にそれぞれ最大5年、10年の禁錮刑が科され得る。香港側はあわせて、法執行は政治的立場や背景ではなく、あくまで行為と証拠に基づいて進められると改めて強調した。













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