トランプ政権、ホルムズ海峡の武力開放でも戦果不透明 流血拡大の恐れ

米国のドナルド・トランプ大統領が米軍を投入し、ホルムズ海峡やカーグ島などイランの島々を掌握したとしても、武力誇示を超える成果を得られるかは疑わしいとの見方が出ている。
ガーディアンは30日、トランプ大統領にはホルムズ海峡の通航を再開させる手段として、イラン領の一部を占領する案と、海峡に大規模な海軍戦力を展開する案の二つの軍事的選択肢があると報じた。ただ、限定的な地上侵攻であっても、大統領職を揺るがしかねない規模の人的被害を招く恐れがあるとしている。
BBCは、米国がイランの原油輸出を断ち、ホルムズ海峡の支配を放棄させるためにカーグ島を一時的に掌握する可能性はあるものの、イラン政権の持久力と抵抗意思を踏まえると、その効果は見通せないと伝えた。
上陸作戦に特化した米海兵隊員約2,500人は28日、強襲揚陸艦トリポリで中東海域に到着した。別の海兵隊員約2,500人に加え、米陸軍第82空挺師団の空挺部隊約2,000人も近く現地入りする見通しだ。
トランプ大統領が、イラン産原油輸出の拠点であるカーグ島を占領し、交渉の主導権を握ろうとするのではないかとの観測も出ている。ホルムズ海峡の支配力を支えるゲシュム島、アブムサ島、ララク島なども標的候補に挙がっており、イランの高濃縮ウランを押収するため、本土を急襲する可能性も指摘されている。
ただ、中東に展開した米軍の規模は、大規模な地上作戦に必要な水準には届いていないとの分析が強い。米国は2003年のイラク侵攻で約15万人を投入したが、イランの国土はイラクの3倍以上に広い。
地上作戦に踏み切っても、イランの脅威を断ち切れるとは限らない。ホルムズ海峡の航路を開くには、商船を護衛する海軍戦力に加え、掃海支援も欠かせない。ところが、米軍は掃海戦力にも限りがあり、商船防護に振り向けられる資源も不足している。
米外交政策研究所(FPRI)のエマ・ソールズベリー上級フェローはガーディアンに対し、トランプ大統領はペルシャ湾のイラン領の島の一つを占領し、対立をさらに激化させたいという誘惑を抑えきれないだろうとの見方を示した。
ソールズベリー氏は、トランプ大統領はこれまでも常に強く押し切ってきたとしたうえで、今回も同じ判断を下す可能性が高いと指摘した。兵力を使えるなら使うだろうが、それは重大な誤りであり、多数の死傷者を招きかねないとも警告した。
国際戦略研究所(IISS)のルーベン・スチュワート地上戦上級研究員も、候補に挙がる場所の一部へ上陸すること自体は可能だとしながらも、軍事的な意味で成果につながるとは考えにくいと述べた。
イラン側にとって、米地上部隊の投入は越えてはならない一線と受け止められている。イランは侵攻に備え、自国のインフラを爆破する用意があると警告した。カーグ島などホルムズ海峡周辺の島々には地対空ミサイル部隊を配備し、機雷を敷設するなど、防御力を強めたとみられている。
イラン議会のモハンマド・バーゲル・ガリバフ議長は31日、ソーシャルメディア「X」に、敵は国民を脅しながら自らの願望を事実であるかのように流しているが、それは大きな誤りだと投稿した。さらに、もし一度でも攻撃を受ければ、相手は何倍もの報復を受けることになると警告した。
ガリバフ議長は前日の別の投稿でも、部隊は米兵が地上に到着するのを待っているとしたうえで、彼らを焼き尽くし、地域の同盟国にも徹底的に報復すると威嚇した。
もっとも、BBCは米海兵遠征部隊(MEU)の戦闘力を踏まえれば、米国が個別の戦闘で優位に立つ可能性は高いと伝えた。一方で、ドローンやミサイル、対人地雷を使ったイラン側の抵抗により、深刻な人的被害を払う恐れがあるとしている。
さらに、占領後もイラン本土から絶え間ない砲撃を受けながら拠点を維持しなければならないとBBCは指摘した。ロシアが2022年の全面侵攻直後に黒海のズミイヌイ島を占拠したものの、ウクライナ本土からの継続的な攻撃を受けて撤退した前例をたどる可能性があるという。
















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