米国のドナルド・トランプ大統領が「石器時代」に戻すと威嚇するなど中東情勢の緊張が高まる中、中国は欧州連合(EU)と欧州・中東の主要国の外相らと相次いで接触し、イランを巡る戦争の即時停戦と、中国・パキスタンが打ち出した和平案の受け入れを促した。

中国の王毅外相は2日、EUの外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会のカヤ・カッラス副委員長、ドイツのヨハン・ヴァーデフール外相、サウジアラビアのファイサル・ビン・ファルハーン・アール・サウード外相、湾岸協力会議(GCC)の輪番議長を務めるバーレーンのアブドゥルラティーフ・ビン・ラーシド・アル・ザヤーニ外相と電話会談した。中国外務省は、一連の協議がいずれも相手側の要請に応じて行われたものだと強調し、国際社会が中国の仲介役に期待を寄せていると印象づけた。
王毅外相は、中国共産党中央外事工作委員会弁公室主任も兼ねている。中国外務省によると、王毅外相は各会談で、中国とパキスタンが湾岸・中東地域の平和と安定の回復に向けて示した5項目提案は、幅広い国際的な共通認識を反映したものだと説明し、各国側もこれを高く評価したという。中国とパキスタンが3月31日に公表した同提案は、敵対行為の即時停止、和平交渉の早期開始、民間人と非軍事目標の安全確保、航路の安全確保、国連憲章の優先的地位の確保を柱としている。
王毅外相はこの日、「停戦と戦争終結は国際社会の強い声であり、ホルムズ海峡の安全な通航を実現する根本策でもある。各国はそのために、より多くの共通認識を築き、必要な条件を整えるべきだ」と訴えた。さらに「国連安全保障理事会の対応は緊張緩和に焦点を当てるべきで、承認されていない軍事行動に合法性の装いを与えてはならない。ましてや事態を一段と悪化させるべきではない」との立場も示した。
国連が役割を果たす必要性も改めて打ち出した。中国は昨年のトランプ政権発足以降、米国の一国主義的な動きを批判し、国連を軸とする多国間主義の擁護者を自任してきた。王毅外相はEU側に対しても、「現在の国際情勢は混乱と不安定さを増している。中国と欧州が意思疎通を強め、国連を中核とする国際体制と国際法に基づく国際秩序を守ることは、双方の共通責任だ」と語った。
中国外務省によると、カッラス上級代表は、EUは国連による人道的行動や民間人、非軍事目標の安全確保を支持していると説明し、ホルムズ海峡の開かれた通航を守るため全力を尽くす考えを示した。また、EUは今回の戦争に参加していないものの影響を受けているとしたうえで、事態の早期沈静化と対話・交渉の再開に期待を示したという。
同省はこのほか、ヴァーデフール外相も国連が果たすべき役割を支持する考えを示し、ザヤーニ外相は国連安保理の役割を通じてホルムズ海峡の通航問題が解決されることを望むと述べたと伝えた。
















コメント0