
米国とイランが最高指導者の暗殺やホルムズ海峡封鎖を巡り正面衝突し、全面戦の様相を強める中、核保有国パキスタンが両国を行き来する重要な仲介役として浮上し、国際社会の注目を集めている。
BBCによると31日、パキスタン軍のアシム・ムニル参謀総長(元帥)はドナルド・トランプ大統領から厚い信頼を得ている。トランプ大統領はムニル氏を「最も気に入っている元帥」と呼び、「誰よりもイランを理解している」と評価してきた。
パキスタンはイランと約900キロの国境を接する隣国であり、宗教や文化の面でも深い結びつきを持つ「兄弟国家」として知られる。
パキスタンが仲介に積極的な背景には、自国の存続に直結する経済・安全保障上の危機がある。ホルムズ海峡封鎖の影響で国内のガソリン価格は約20%急騰し、政府は燃料節約のため公務員の週4日勤務制を導入した。
しかし戦争が長期化すれば、経済的圧力に耐えきれない可能性が指摘されている。さらに西部国境全体が戦場となるリスクも現実味を帯びている。
パキスタンは現在、北西部でアフガニスタンのタリバン政権と事実上の交戦状態にあり、この上、南西のイランとも敵対すれば、西側国境全体で同時に敵と対峙する最悪のシナリオに直面する。
東側ではインドとの緊張も続いており、軍事力を分散させる余裕はない。パキスタンにとって、西側での「二正面戦争」は何としても避けなければならない状況だ。
こうした事情から、パキスタンはトランプ大統領との関係を外交的なテコとして活用する動きを強めている。昨年のインドとの対立では、トランプ大統領の関与を理由にノーベル平和賞候補に推薦するなど、いわゆる「配慮外交」を通じてワシントンとの関係強化を図ってきた。
これはイランを説得しつつ、米国の意向も伝達できる唯一の「橋渡し役」としての立場を確立する狙いとみられる。イシャク・ダール外相は同日、中国を訪問し王毅外相と中東情勢を協議するなど、シャトル外交を加速させている。
外交筋の間では、今回の仲介が成功すればパキスタンが国際外交の主役に躍り出る可能性がある一方、両国間の深い不信を踏まえれば「危険な賭け」に終わるリスクも小さくないとの慎重な見方が出ているとBBCは伝えた。
















コメント0