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「戦争で儲ける国がある」イラン危機の裏で進む“静かな覇権シフト”

梶原圭介 アクセス  

イラン戦争の長期化でエネルギー危機が深刻化する中、ノルウェーが欧州の石油の代替供給源としての地位を強化している。地政学リスクが比較的低いことを背景に、欧州のエネルギー需要を取り込もうとする動きだ。

出典:ロイター通信
出典:ロイター通信

14日(現地時間)、米ニューヨーク・タイムズ(NYT)は「現在、イラン戦争は世界の石油供給を脅かし、価格を急騰させている」とし「今回の危機は改めて欧州のエネルギーの脆弱性を浮き彫りにした。これを受けて、ノルウェーが欧州域内で信頼できる友好的なエネルギー供給源としての役割を拡大できるかどうかが問われている」と伝えた。

ノルウェーは西欧最大の産油国で、生産した石油の95%とほぼすべての天然ガスを欧州連合(EU)と英国に輸出している。欧州がノルウェー産石油に依存する割合は約30%に達する。ノルウェーの石油生産量は日量約200万バレルで世界12位水準だ。

特に他の主要産油国と異なり、地政学リスクが比較的低い点が強みとされる。こうした安定性を背景に世界のエネルギー市場が不安定になるほど、ノルウェー産石油への需要は急速に高まっている。

実際、ノルウェーは主要な戦争局面のたびにエネルギー輸出で大きな利益を上げてきた。ロシア・ウクライナ戦争の際にも莫大な利益を得ており、戦争2年目にはエネルギー産業だけで1億ドル(約159億円)を超える追加収益を上げたことが分かった。イラン戦争勃発後も需要増が続き、約50億ドル(約7,948億2,500円)の追加収益を得たと集計されており、今後の収益はさらに膨らむと予想される。

こうした期待感を背景に、ノルウェー国営エネルギー大手エクイノールとヴァール・エネルギーの株価は急騰し、過去最高値を更新した。北欧のノルデア銀行で投資責任者を務めるロバート・ネス氏は「1989年以降で最高の第4四半期実績だ」と評価した。さらに、ノルウェーは石油とガスで1日当たり約1億8,500万ドル(約294億1,100万円)の追加収益を上げており、戦争が長引けばさらに60億ドル(約9,538億7,000万円)の収益が生じるとの見方を示した。

ノルウェーは電力の98%を再生可能エネルギーで賄い、電気自動車の普及でも世界トップクラスにあるため、自国での石油消費は比較的少ない。このため、内需依存度の低い構造を背景に石油生産を拡大して輸出を増やす戦略を取っている。先月にはノルウェー最大の石油会社エクイノールがブラジル沖で天然ガスの掘削を開始したと発表した。

ただし、ノルウェーが安定した石油代替供給源として定着できるかどうかには懸念もある。現在、ノルウェーの掘削施設はすでに最大稼働状態であり、追加増産には北極圏への事業拡大が避けられない。これに対して環境団体の反発は強まっている。

また、ノーベル平和賞の授与国であり、和平仲介国としてのイメージを持つ一方で、戦争によって石油収入を得ている現実は矛盾しているとの指摘もある。しかし、こうした認識は徐々に変化しているとNYTは伝えた。

投資顧問会社バーンスタインのギヨーム・デラビー氏は「どのような方向に展開されても、中東はもはや安全な石油市場として認識されない可能性が高い」と述べた。

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