
中国の著名な経済学者の一人である北京大学新構造経済学研究所のリン・イーフー所長は、今年の中国経済成長率が5%を上回る可能性があり、潜在成長率は8%に達すると見通した。当局が今年掲げた33年ぶりの最低水準となる成長目標(4.5~5%)を大きく上回る可能性があるとして、注目を集めている。
リン所長は最近、北京市内の北京国際クラブで開催された「臨甲7号サロン」に出席し、「今年の4.5~5%という目標はあくまで最低ラインだ」とした上で、「大きな外部ショックがなければ、それを上回る成長を達成する可能性は十分にある」と強調した。リン所長は中国経済に対して楽観的な見方を示す代表的な改革派経済学者として知られている。台湾軍将校出身の「帰順者」から世界銀行副総裁にまで上り詰めた経歴を持ち、2013年から2023年まで中国国務院の顧問を務めるなど、長年にわたり政策助言を行ってきた。
「後発者効果」と人材力が成長の原動力

リン所長は楽観的な見通しの根拠として「後発者効果」を挙げた。中国は依然として多くの産業で追随段階にあるため、先進国よりも高い成長率を実現できる余地があると分析している。リン所長は「中国の一人当たり国内総生産(GDP)は現在約1万4000ドル(約222万3,000円)で、先進国の4万(約635万2300円)~6万ドル(約952万7600円)とは大きな差がある」とし、「ドイツの戦後、日本の1950~60年代、韓国の1980~90年代のキャッチアップ期には年8%を超える成長が実現しており、中国にも同様の潜在力がある」と強調した。
また、第4次産業革命時代において中国が圧倒的な人材プールを有している点も優位性として挙げた。「この時代の競争力の鍵はSTEM(科学・技術・工学・数学)人材の確保だが、中国は毎年約600万人の関連分野の卒業生を輩出しており、世界最多だ」と説明した。加えて、巨大な内需市場、整備された産業供給網、政府主導の支援体制なども強みとして指摘した。
外部リスクも影響は限定的
中国経済の高い輸出依存度を踏まえれば、世界経済の減速や保護主義の強まりはリスク要因となる。米国とイランの対立による原油価格の上昇についても、中国経済にマイナスの影響を与える可能性があると指摘した。さらに、紛争が長期化すれば1970年代の石油危機の再来もあり得るとした。ただしリン所長は、「中国の原油輸入に占めるイラン産の割合は約30%であり、国有企業を中心とした統制により価格転嫁を一定程度抑制できる」と説明し、「全体としての影響は他国に比べて小さい」との見方を示した。また、人口の高齢化、不動産市場の低迷、地域間の所得格差といった構造的課題も、中国経済が克服すべき重要な問題として挙げた。
一方で「臨甲7号サロン」は、中国外交部傘下の中国公共外交協会が主催する非公開・不定期の政策対話の場だ。中国最大の政治イベントである両会や主要国との首脳会談、米中貿易摩擦など重要局面に合わせて開催される。政府高官や主要経済学者が海外メディアを招き、政策の方向性を説明するとともに国際的な反応を探る場として活用されている。の反応を確認する窓口として活用されている。
















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