
中国がフィリピンと領有権を争う南シナ海のスカボロー礁の入り口に、10日と11日の2日間、浮遊式の障害物を設置していたことが確認された。米国とイスラエルによるイラン戦争で、米国の関心と安全保障上の対応力が中東に集中する隙を突き、対中けん制の水準を見極めるとともに、インド太平洋での統制力強化を図ろうとした可能性があるとの見方が出ている。
15日、ロイター通信などによると、米国の衛星企業Vantorが10日と11日に撮影した衛星画像を分析した結果、中国側が設置した浮遊式障害物が礁の入り口をふさいでいた。障害物に加え、中国漁船4隻と、中国海軍または中国海警局に所属するとみられる船舶1隻が入り口を塞ぐ様子も確認されている。
これについてフィリピン側は、中国政府が10日と11日の2日間、礁の入り口に全長352メートルの浮遊式障害物を設置したとロイター通信に説明した。現在は中国側が自ら撤去した状態と把握しているという。さらに、この期間に障壁設置に関与したとみられる中国船舶が少なくとも9隻確認されたとも明らかにした。中国国防部は、この報道に関して別途の立場を示していない。
中国は2012年、フィリピンが実効支配していたスカボロー礁を強制的に占拠した。フィリピンの排他的経済水域(EEZ)内に含まれる海域だが、中国は自国の領土だと主張している。加えて、中国は南シナ海にU字形の「九段線」を設定し、スカボロー礁を含むその内側の約90%を自国の領海だと唱えながら、人工島の建設や軍事拠点化を進めてきた。このため、スカボロー礁周辺では中国とフィリピンの衝突がたびたび起きている。
今回の浮遊式障害物設置は、2月28日に始まったイラン戦争とも無関係ではないとの分析も出ている。とりわけ、イランが封鎖している原油輸送路のホルムズ海峡に対し、米国が最近になって逆封鎖に乗り出したことが影響した可能性があるとの指摘が上がっている。2015年以降、南シナ海で「航行の自由」作戦を展開して中国をけん制してきた米国が、従来の方針を転換してホルムズ海峡の逆封鎖に踏み切ったことで、世界的な「航行の自由」の原則そのものが揺らいでいるという見立てだ。
一方、ホワイトハウスは15日、中国の習近平国家主席が米国のドナルド・トランプ大統領と交わした書簡の中で、中国はイランに武器を供与しないと約束したと明らかにした。ホワイトハウス報道官のキャロライン・レビット氏は、習国家主席がイラン戦争においてイランへ武器を供給しない考えをトランプ大統領に伝えたと述べている。
トランプ大統領は同日に放送されたFOXビジネスのインタビューで、中国がイランに武器を渡していると聞いたため、習主席にそうしないよう求める書簡を送ったと語った。そのうえで、習主席からは「基本的にはそのようなことはしていない」との返答があったと明かした。
















コメント0