
トランプ政権が不動産部副編集者の採用過程で白人男性を差別したとして、ニューヨーク・タイムズを提訴した。ニューヨーク・タイムズは今回の訴訟には政治的意図があると反発し、「トランプ政権が結論ありきで独立機関を利用している」と批判した。ニューヨーク・タイムズはこれまでにも、ドナルド・トランプ米大統領や米国防総省を相手取って訴訟を起こしたことがある。
米雇用機会均等委員会(EEOC)は5日(現地時間)、ニューヨーク・タイムズがDEI(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)政策を推進する過程で、白人男性を面接対象から排除したとして提訴した。EEOCによると、同紙は昨年、不動産部副編集者の採用過程で、国際部の上級副編集者を務めていた白人男性社員を最終面接から外し、不動産分野の経験がない非白人女性候補を採用したと主張している。さらに、ニューヨーク・タイムズは能力ではなく、人種や性別を重視して採用を行ったと指摘した。
またEEOCは、同紙に対しDEI政策の永久停止や、不採用となった社員への補償、懲罰的損害賠償などを求めている。DEI政策は、米国社会で差別を受けてきた人種や性別、社会階層への配慮や機会拡大を目的とした制度で、ニューヨーク・タイムズは2021年、デスク級ポストに占める黒人・ラテン系社員の割合を50%まで拡大する方針を示していた。一方、トランプ大統領は就任後、DEIが白人男性への逆差別を生んでいると批判し、政策廃止を進める考えを示した。
これに対しニューヨーク・タイムズ側は、採用は能力を基準に行われており、白人男性に対する逆差別はなかったと反論した。同紙の広報担当者は声明で、「人種や性別は人事決定に影響していない。資格を持つ候補者を採用しただけだ」とした上で、「トランプ政権は結論ありきで、独立機関であるEEOCを利用している。今回の訴訟にも積極的に対応する」と述べた。
また、同紙は今回の提訴の背景に、トランプ政権との長年の対立関係があるとの見方を示した。ニューヨーク・タイムズの広報担当者は、「今回の訴訟には政治的意図がある」と主張し、「こうした疑惑を断固として否定する」と強調した。実際、トランプ大統領は昨年9月、ニューヨーク・タイムズが自身に批判的な報道を行ったとして、150億ドル(約2兆3,500億円)の損害賠償訴訟を起こした。さらに今年1月には、同紙が2024年大統領選直前に発表した世論調査結果が自身に不利だったとして、追加提訴を行った。一方、ニューヨーク・タイムズ側も、米国防総省による報道制限方針や記者室閉鎖措置を巡って提訴したことがある。
ワシントン・ポストは5日の報道で、「ニューヨーク・タイムズはトランプ大統領と法廷闘争を何度も繰り広げてきた」と伝えた。続いて「トランプ大統領は個人でもニューヨーク・タイムズを提訴しており、自身の事業上の成功を批判する報道について名誉毀損を主張している」と報じた。
ガーディアンは5日、「トランプ政権はメディア企業の雇用慣行を理由に圧力を行使できる状況にある」と指摘しつつ、「最近、ブレンダン・カー連邦通信委員会(FCC)委員長が、ディズニーのDEI政策を理由に、ABC系列8局の放送ライセンスを異例の早期更新とする決定を下した。この決定は、トランプ大統領が、自身を風刺したジミー・キンメル氏をABC放送が解雇するよう求めた翌日に発表された」と伝えた。
















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