
5月14日(現地時間)、エアフォースワンは北京に着陸する予定だ。トランプ大統領は強力な交渉カードを手にしていると考えているとみられるが、現実はそうではない。中国はすでに過去6年間にわたり、彼が有効なカードを切れないよう徹底した防御体制を築いてきたためだ。
事の発端はホルムズ海峡封鎖以前にさかのぼる。2018年、ワシントンが華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟CFOを逮捕し、半導体サプライチェーンから中国を排除され始めると、習近平国家主席は即座に対応に乗り出した。米国がいつでも重要資源の供給を遮断し得るという危機感のもと、中国は世界最大規模の資源備蓄を構築し始めた。現在、中国の戦略備蓄石油は約14億バレルに達し、海上輸入の約115日分に相当する。
現在、中国はこの膨大な備蓄を外交的な武器として活用している。ホルムズ海峡封鎖によってアジア諸国がエネルギー危機に陥る中、中国石油化工集団(シノペック)や中国中化集団(シノケム)は西アフリカ産原油をアジア全域に再販し始めた。またLNGも今年だけで131万トンを韓国、日本、タイ、インドなどに供給した。
米国が海峡封鎖によってアジアの同盟国を困難に陥れている一方で、中国は「エネルギーの救援役」を自任し外交的利益を得ている。その結果、韓国、日本、インドネシアなどは北京に感謝の意を示しつつ、徐々に米国の影響圏から離れつつあるとされる。
外交攻勢も強まっている。今月6日にはイラン外相が北京で王毅外相の厚遇を受けた。同時に中国は、米国の二次制裁の脅威を「国連の承認のない違法な単独行動だ」として正面から退けた。
米国が保護貿易の壁を高める一方、中国は門戸を開放している。アフリカ53か国に対する関税を撤廃し、欧州からの旅行者にはビザなし入国を認めている。技術分野でも同様で、米国がAI輸出規制を強化する中、中国のDeepSeek AIはオープンソースとして公開され、世界中の開発者を引き付けている。
中国の最も決定的なカードはレアアースだ。ネオジムやプラセオジムなど、先端兵器や電気自動車、スマートフォンに不可欠な素材に対する中国の支配力は事実上圧倒的である。
ウクライナ戦争やイランとの紛争により武器備蓄が枯渇した米国防総省は、今や武器補充のために中国の協力を必要とする状況に追い込まれている。国際秩序のルールは、北京によって書き換えられつつあるという見方だ。
世論の動向も厳しい。8日発表された民主主義認識指数によると、中国に対するグローバルな肯定認識は+7%であるのに対し、米国に対する認識は2年前の+22%から-16%へと急落したという。
最終的にトランプ大統領は習近平国家主席と友好的な雰囲気を演出しようとするものの、実質的な成果を得られないまま「手ぶら」で帰国する可能性が高いと指摘されている。交渉の主導権はすでに北京側に移っているためだ。
















コメント0