
カナダが昨年4月からの1年間で7000人を超える新規兵力を募集したと、BBCが10日(現地時間)に報じた。30年ぶりの大規模な増員で、トランプ政権が「同盟国への圧力」を強める中、各国が自国の安全保障強化に動いている流れと無関係ではないとの分析も出ている。
カナダ国防省がBBCに提供した資料によると、今年2月の1か月間に軍への入隊志願者は4万116人に達し、前年の2万1700人と比べてほぼ倍増したとのことだ。これは入隊資格の確認に必要な書類を提出した人数を集計したもので、実際の申請総数はこれよりさらに多いとBBCは補足している。
●1年間で7000人の新規兵力を募集
さらにカナダは国防費も大幅に増額した。カナダのマーク・カーニー首相は3月、国内総生産(GDP)の2%を国防費として支出したと発表した。これは年間460億ドル(約7兆1,990億円)規模に相当する。カナダ政府はさらに2035年までに、NATO(北大西洋条約機構)基準に合わせてGDPの最大5%まで国防費を引き上げる計画だ。
またカナダは現在、正規軍約8万5500人と約30万人規模の予備役を動員する大規模な軍事力増強計画も検討している。
こうした動きは、わずか数年前まで「このままでは軍が維持できないのではないか」と懸念されるほど兵員不足が指摘されていた状況と比べると、劇的な変化といえる。
●国際的な不安・軍人給与上昇の効果
最大の背景として「トランプ効果」が挙げられる。カナダを「アメリカの51番目の州に編入する」とまで発言するなど、米国のドナルド・トランプ大統領はカナダの主権を軽視する姿勢を示し、カナダ国内の反発を招いた。さらにトランプ大統領は、カナダに隣接するグリーンランドの編入に向けて軍事力の行使まで示唆している。
また、ウクライナ戦争が始まった2022年以降、カナダの若年層による軍入隊志願者は増加しており、国際情勢の不安定化が若い世代の安全保障意識を高めたと分析されている。加えて、カナダの若年失業率が14%に達する中で、軍人給与が10年ぶりに大幅に引き上げられたことも、志願者増加の要因になったとBBCは伝えている。
自国の安全保障を強化する動きはカナダに限らない。クロアチアが18年ぶりに徴兵制を復活させるなど、欧州の主要国でも兵力確保の動きが広がっている。ドイツも来年度の国防予算を今年比28%増の1058億ユーロ(約17兆9,860億円)に引き上げるなど、国防費の増額が相次いでいる。
















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