
中国で開催された米中首脳会談に合わせ、イランがホルムズ海峡で中国の船舶を含む30隻の船舶を通過させた。米国が中国に対し、イラン戦争終結に向けた関与を求めている状況の中で、イランが中国に友好的なシグナルを送ったものとの分析が出ている。
イランの準国営ファルス通信は14日(現地時間)、消息筋を引用し「イラン・イスラム共和国の決定により、イランの海峡管理プロトコルを遵守する条件の下、昨夜から一部の中国船舶のホルムズ海峡通過が可能になった」と報じた。さらに「中国外務大臣と駐イラン中国大使の要請と協議の後、両国の深い関係と戦略的パートナーシップを基に中国船舶の通航便宜提供が推進された」と付け加えた。また「専門家は今回の措置について、海峡の戦略的重要性を外部からの圧力手段として政治的に利用しようとする試みを無力化し、この重要航路に対するイランの管理能力を強化する効果をもたらすものと見ている」と伝えた。
イラン国営放送(IRIB)は同日「海軍部隊と接触した結果、昨夜から現在まで30隻以上の船舶が我々の海洋当局の協力と海軍部隊の安全保障の下、ホルムズ海峡を通過したことが確認された」と報じた。
これに先立ち、ドナルド・トランプ米大統領は13~15日に中国・北京を訪問し、習近平国家主席との首脳会談を行っているが、イランはこれに合わせて中国などの一部船舶の通過をホルムズ海峡で認めた形となる。
イランメディアは、正確に何隻の中国船が海峡を通過したかは明らかにしていない。一方、米メディアは過去2日間でタンカーを含む5隻の中国船が通過したことを確認したと報じている。米NBCニュースは前日、船舶運航情報会社マリントラフィックの資料を引用し、中国国営海運会社コスコ(中国遠洋海運集団)の系列会社が運航する超大型タンカー「元華湖(Yuan Hua Hu)」がイランのララク島近くを経由してホルムズ海峡を通過したと報じた。また中国関連の車両運搬船など他の4隻も12日から2日間で海峡を通過したという。コスコ関係者は、同タンカーが通行料を支払わずに通過したとウォール・ストリート・ジャーナルに語った。
国際危機グループ(ICG)のイラン担当者アリ・バエズ氏は、英フィナンシャル・タイムズに対し「イランが中国の油槽船の通過を許可することで、トランプ大統領が海峡開放問題を巡って中国と取引を試みる可能性を先制的に無力化したと見られる」と語った。また、米国の中国へのイラン戦争終結協議への関与要請について「中国には関与する誘因がほとんどない」とし、「今回の戦争は米国の力と信頼性を弱め、逆に中国の戦略的地位を強化している」と述べた。
しかし中国もイラン戦争の長期化を座視できる状況ではない。燃料価格の急騰による物価上昇は、経済状況が良好でない中国にとっても負担となっている。またホルムズ海峡に滞留している中国関連船舶は、香港関連船舶だけでも約100隻に上る。中国は現在、西側制裁下にあるイラン産原油の90%を輸入する最大の買い手であり、イランに対して影響力を行使できる立場にある。中国は昨年、イラン政府予算の45%に相当する312億ドル(約4兆9,000億円)の原油代金をイランに支払った。
















コメント0