引用:BAEシステム
引用:BAEシステム

世界最強の軍事力を持つ米国がイラン戦争でなぜ苦戦しているのか。米国は迎撃ミサイルなど高コスト・高性能の武器では世界最強の戦力を誇るが、現代戦の核心であるドローン(無人機)と弾薬の生産速度では競争国に後れを取っているという分析が出ている。現代戦に適した軍需産業の体質強化を適時に行えなかったということだ。

19日(現地時間)の米ニューヨーク・タイムズ(NYT)によると、米国防総省と米議会は数年間にわたり軍需産業の改革を試みてきたが、実質的な成果を上げられていないという。米国内では戦争で大きく消耗した迎撃ミサイルが不足している状況で、生産速度が需要に追いつかないことが米国の軍事抑止力自体を弱体化させる可能性があるとの懸念も出ている。

代表的な例として挙げられるのはペトリオット・ミサイルだ。ペトリオット・ミサイルは1発の生産に最大36か月がかかり、費用も約400万ドル(約6億3,600万円)に上る。米戦略国際問題研究所(CSIS)によると、米軍は休戦前の3月27日までペトリオット・ミサイルを1,200発以上使用しており、これは昨年の全体生産量(約600発)の2倍に相当するという。一方、今回の戦争でイランに顕著な成果をもたらしたシャヘド・ドローンは、1台あたりの価格が約3万5,000ドル(約556万1,300円)程度だ。イランはこのドローンを毎月200台以上生産できるとされている。

軍事専門家たちは米軍の武器生産システムが効率性に欠けていると指摘した。米国のロバート・ゲーツ前国防長官はNYTに「ウクライナは今年ドローン700万台を生産する予定だが、なぜ米国はそれができないのか」と述べ、「99%完璧な武器を作るために数年と巨額の費用をかけるよりも、性能がやや劣っても早く安く生産可能な『75%解決策』が必要だ」と主張した。

ロナルド・レーガン研究所のレイチェル・ホフ政策局長は「米国防総省は新しい組織と戦略を次々と打ち出しているが、実際の契約・調達方式の変化がなければ、結局すべてスローガンに過ぎない」と指摘した。米シンクタンクであるアメリカン・エンタープライズ公共政策研究所(AEI)の軍事専門家、マッケンジー・イーグレン氏も「米国防総省は過度に厳しい顧客のように少量注文を繰り返し、規模の経済を達成できていない」とし、「艦船や戦闘機だけでなく弾薬の生産も数年かかるため、戦争が始まった後には生産拡大のための迅速な対応が事実上不可能だ」と説明した。

米国防総省も軍需産業の構造を現代戦に適応させるために民間商業技術の活用拡大と複数供給網の構築、生産能力の拡充などを核心課題として推進中だ。長期契約の拡大を通じて弾薬生産量を既存の3~4倍に増やす方策も推進している。米国防総省のショーン・パーネル報道官は「高性能武器の生産を拡大する一方で、低コストの革新武器システムも積極的に検討している」とし、「競争と新技術の導入を通じて軍需産業の基盤を拡大し、戦場の優位性を維持する」と明らかにした。

しかし専門家たちは単なる予算の拡大だけでは問題解決が難しいと診断した。米国会計検査院(GAO)出身の分析官、ウィンスロー・ウィーラー氏は「米国防総省は維持費が過度に高い高価な武器システムに固執してきた」とし、「その結果1兆5,000億ドル(約238兆3,700億円)の予算を使っても武器の在庫は減り老朽化し、維持すら困難な状況に置かれている」と批判した。ゲーツ前長官は「誰もが造船と弾薬、防衛産業の生産能力問題を認識していると言うが、実際に工場の増設と新工場の建設がどれだけ迅速に進んでいるかが重要だ」とし、「今最も必要なのはスピードだ」と強調した。

望月博樹
望月博樹

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コメント2

  • gimuri

    >性能がやや劣っても早く安く生産可能な『75%解決策』が必要だ」・・・フフッフまるで中国の車だね、75%でも実戦投入することで有効なデータも蓄積されるというメリットも出るからね。

  • 磯爺

    米国、ロシア、中国共々に大国の怠慢と驕りが伺える。米国軍は世界最強としても過去、事実上ベトナムに敗北を喫している。ロシアは最前線状況が上層部に届いてない。中国は出鱈目な社会主義政策で経済が破綻。危機感が無い国は滑稽だ。

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