トランプ大統領の独走に共和党苦慮…中間選挙控え党内に焦り

米共和党が中間選挙を約5カ月後に控える中、ドナルド・トランプ米大統領の相次ぐ突発的な言動に神経をとがらせている。トランプ大統領が経済や物価対策よりも、自身の政治的優先課題や個人的なプロジェクトに注力していることから党内の不安が強まっている。
米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は25日(現地時間)、トランプ大統領の独断的な行動が共和党の中間選挙戦略を揺るがしていると報じた。
トランプ大統領は最近、共和党内部の懸念をよそに、自身の政治構想や個人的関心事を優先する姿勢を鮮明にしている。
特に党内の反発を招いているのが、トランプ大統領が最近設立した18億ドル(約2,868億1,100万円)規模の基金だ。
この基金は「政治的捜査や法的迫害の被害者」とされる人々を支援することを目的としているが、2021年1月6日の連邦議会襲撃事件の関係者も対象に含まれる可能性があるとして物議を醸している。批判派はトランプ支持層向けの政治資金だとみている。
共和党内からも批判の声が上がった。トム・ティリス米上院議員はこの基金について「極めて愚かな判断だ」と批判した。これに対し、トランプ大統領はSNS「トゥルース・ソーシャル」でティリス議員を「弱く無能だ」と非難した。
トランプ大統領の予備選への関与も党内の懸念を強めている。最近では、テキサス州の共和党上院予備選で党重鎮のジョン・コーニン上院議員ではなく「MAGA(米国を再び偉大に)」を掲げるケン・パクストン州司法長官への支持を表明した。
パクストン氏は汚職疑惑で弾劾訴追された経歴があり、離婚問題も抱えている。党内では、トランプ大統領の支持表明がテキサス州での議席維持を難しくするとの懸念が出ている。

経済や物価高問題に対するトランプ大統領の発言も不安材料となっている。
最近、トランプ大統領はガソリン価格高騰への懸念について「(イラン問題と比べれば)取るに足らないことだ」と発言した。さらに17日には、イランとの戦争による経済的負担に関し「米国民の家計状況については考えていない」と述べ、波紋を広げた。
共和党内では、中間選挙を前に有権者の最大関心事である経済や生活費の問題とかけ離れた認識だとの危機感が広がっている。
実際、世論も厳しさを増している。NYTとシエナ大学が実施した最近の世論調査では、トランプ大統領の生活費対策を評価すると答えたのは28%にとどまった。無党派層では77%が否定的に評価した。
このほかトランプ大統領は、ホワイトハウスの大規模宴会場建設構想やワシントンでのゴルフ場改修、各種記念彫刻設置など個人的プロジェクトにも力を入れている。旅券や紙幣、連邦政府施設の掲示物などに自身のイメージを盛り込むなど、過度な自己宣伝に傾斜しているとの批判もある。
こうした、いわば「トランプ・ファースト」の姿勢が中間選挙戦略に悪影響を及ぼしかねないとの懸念も強まっている。
米共和党の選挙戦略家ホイット・エアーズ氏は「トランプ大統領は経済成長の促進、インフレ抑制、不法移民対策のために選ばれた」と指摘し「議会での多数派維持を最優先に考えるなら、現在のような行動は取らないだろう」と語った。
ただし、共和党内で公然と反発の声を上げる議員は多くない。トランプ大統領が党内の選挙で批判的な候補を次々と排除し、影響力をさらに強めているためだ。
現在の米上院勢力は共和党53議席、民主党45議席、民主党傾向の無所属2議席で構成されており、下院は共和党218議席、民主党214議席となっている。
今回の中間選挙では、下院435議席すべてと上院100議席のうち34議席が改選対象となる。選挙日は11月3日(現地時間)に予定されている。
















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