
ドナルド・トランプ米大統領は4日、自動車業界の最高経営責任者(CEO)や幹部らと会合を持ち、米議会で審議が進む「修理する権利(Right to Repair)」法案について率直に意見を交わしたことを明らかにした。会合には、GMのメアリー・バーラ最高経営責任者(CEO)、フォードのアンドリュー・フリック社長(フォード・ブルー&モデルe担当)のほか、全米自動車ディーラー協会や米国自動車イノベーション協会(AAI)などの主要業界関係者が多数参加した。フォード側は会合への参加を確認したが、GMと主要団体は具体的なコメントを控えた。
完成車メーカーによる整備情報の制限に批判
トランプ大統領は会合後、業界幹部との会合内容を明らかにし、消費者が独自に車両を修理する権利を業界が阻もうとしているとの姿勢を指摘した。その姿勢は誤りであると明確に伝えたという。自動車メーカーが車両オーナーや独立系整備工場による修理を制限しようと、整備情報やソフトウェアへのアクセスを制限する動きを批判したものだ。米国の自動車アフターマーケットサービス市場は年間約2,000億ドル(約30兆円)規模に達しており、完成車メーカーと独立系整備業界の間で数年来にわたり主導権争いが続いている。
下院委員会を通過した法案と連邦取引委員会の権限強化
米国下院委員会を通過した関連法案は、2014年に自動車メーカーと独立系整備業界が締結した既存の全国覚書(MOU)の内容を法的に明文化するものだ。連邦取引委員会(FTC)が合意事項を強制執行できるよう権限を付与し、違反した場合には民事罰を科す実質的な強制力を持たせることが骨子となっている。主要メーカーが加盟する米国自動車イノベーション協会(AAI)は、保証終了後の整備作業の75%が独立系整備工場で行われているとし、2014年からすべての診断コードや整備ツールを共有してきたことを根拠に、法案を支持する立場を表明した。
データアクセス拡大をめぐる議会とディーラーの対立
一方、多くの議員や独立系整備団体は、既存の覚書だけでは実質的な情報共有が不十分だとして、車両オーナーがテレマティクスデータや高精度な診断ソフトウェアに直接アクセスし管理できることを保証する別の強制法案の成立を強く求めている。データアクセスの制限が続けば、メーカーが整備ソフトウェアのライセンス料を不当に引き上げ、修理費の上昇を招くとの懸念によるものだ。これに対し、自動車ディーラー関係団体は、法案が成立すれば独立部品メーカーが純正部品を逆設計して模倣品を量産するおそれがあるほか、保険会社が整備過程に過度に介入することになると反発しており、今後の審議過程でも激しい攻防が続く見通しだ。













コメント0