
ウクライナによるドローン攻撃で、ロシアの首都モスクワの製油施設や住宅地が被害を受け、8歳の女児が死亡した。しかし、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領はこの件について公に言及せず、ロシアのテレビニュースも関連情報を小さく扱ったと、BBCが20日(現地時間)に報じた。
BBCによると、18日(現地時間)の午前、モスクワ南東部カポトニャ地域の大型製油施設が、ウクライナのドローン攻撃を受けた。施設から立ち上る濃い煙は遠くからも確認でき、黒い幕のようにモスクワの空を覆った。
目を引いたのは、火災の光景だけではなかった。製油施設近くの池のほとりでは、ある男性が濃い煙を気にする様子もなく釣りを続け、向かいの遊び場では子供たちがブランコで遊んでいた。市民たちは普段と変わらない木曜日のように、スーパーを行き来していた。
BBCはこの光景について「モスクワで何が正常で、何が異常なのかを改めて考えさせられた」と伝えた。
これまでウクライナ戦争は、ロシアの首都に暮らす市民にとって遠い出来事のように感じられていた。多くの市民は戦争を自分の日常とは無関係のように考えてきたが、この1年半の間に、モスクワでもロシア軍高官の暗殺やドローン攻撃のニュースが相次いでいる。

18日の攻撃は、ロシアがウクライナへの全面侵攻を開始して以来、モスクワ周辺を標的とした空からの攻撃としては最大規模の一つとされている。製油施設だけでなく、ショッピングセンターや住宅も被害を受け、モスクワ州知事はドローン攻撃による火災で8歳の女児が死亡したと明らかにした。
製油施設の向かいにあるマンションに住む住民のスラバさんはBBCに「完全に不意を突かれたわけではないが、これほど大規模な攻撃が起きるとは思わなかった」と語った。その上で、「爆発音が聞こえ、辺り一面に広がる濃い煙を見た。まるで映画のワンシーンのようだった」と説明した。
また、別の住民ナデジダさんは「第二次世界大戦の時も、我が国の兵士たちは食糧や水が不足する状況の中、4年で勝利を収めた」と話し「今日、私たちは必要な資源をすべて持っているのにもかかわらず、この戦争は続いている。衝撃的だ」と述べた。
ロシア当局は、戦争の長期化の責任を西側諸国に転嫁してきた。ヨーロッパの指導者たちや北大西洋条約機構(NATO)がキーウを支援し、戦争を長引かせているという主張だ。しかしモスクワが攻撃を受けた当日、プーチン大統領はドローン攻撃について一切言及しなかった。

ロシアのテレビニュースも、この事件を大きく扱わなかったとBBCは伝えた。翌日のロシアの新聞は関連ニュースを報じたものの、概して「ロシアも被害を受けたが、ウクライナはさらに大きな被害を受けている」というメッセージを繰り返した。
クレムリンの反応の遅さも同様だった。クレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官は、ロシアの被害よりもウクライナの都市が受けた被害に目を向けるべきだという趣旨で、「我が国軍の攻撃の成果は素晴らしいものだ。こうした攻撃は今後も続くだろう」と述べた。
ウクライナによるロシアの都市への攻撃が、プーチン大統領の判断を変えるに至ったという兆候は、まだ見られない。ただし、ウクライナによる長距離攻撃、特にロシアの石油施設を狙った攻撃は、ロシア経済に圧力をかけている。ロシアの一部地域ではガソリン不足や配給制についての報道があり、ガソリンスタンドの価格も上昇している。
モスクワでは現在、さらなるドローン攻撃を予期する雰囲気も漂っている。18日に濃い煙を見上げていたある女性はBBCの取材に対し「私たちにできることは何もない。どうするかは政府が決めることで、私たちはただ見守ることしかできない」と語った。













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