
イランは、米国と締結した覚書(MOU)を履行する考えを示す一方、弾道ミサイル計画については交渉対象にはならないとくぎを刺した。
ロイター通信によると、イランのマスード・ペゼシュキアン大統領は23日(現地時間)、パキスタンのイスラマバードでシャバズ・シャリフ首相と共同記者会見を開き、「イランのミサイルプログラムは米国と締結したMOUには含まれておらず、今後も含まれることはない」と述べた。さらに、「イランはいかなる国とも防衛能力を交渉の対象にはしない」とし、強硬な立場を改めて強調した。
この発言は、米国とイランが最近スイスでの協議を通じて、核査察や制裁緩和、ホルムズ海峡の正常化などを含む今後の交渉に向けたロードマップに合意した直後に行われた。米国側は今後60日間にわたり核問題や中東の安全保障問題について協議し、最終合意を目指す方針だが、イランはミサイル戦力を交渉対象から除外する構えだ。
ペゼシュキアン大統領は、「中東の平和と安定は外部からの圧力ではなく、地域諸国による誠実な対話と協力を通じて実現されるべきだ」と強調した。さらに、イランのミサイル戦力は純粋に防衛目的のものであり、国家安全保障に不可欠な要素だと主張した。
シャリフ首相も同日の記者会見で、米国とイランの協議において「イランの弾道ミサイルプログラムは議題になっておらず、MOUにも関連条項は含まれていない」と述べた。そのうえで、「他国がミサイルを保有している中で、イランだけが保有しないというのは現実的ではない」と語った。
米国とイスラエルは長年にわたり、イランの弾道ミサイル開発を中東安全保障上の主要な脅威と位置付けてきた。一方でイランは、核開発問題とは異なり、ミサイル戦力は国家主権に関わる問題であり譲歩できないとの立場を維持している。実際、イランは米国との交渉過程でも、核査察や制裁問題については協議できるものの、ミサイル能力はレッドラインだとの主張を繰り返してきた。
ペゼシュキアン大統領にとって今回のパキスタン訪問は、米国との協議後初めての外遊となる。パキスタンの仲介に謝意を示すと同時に、今後の交渉に向けてイランの立場を国際社会に改めて示す狙いがあるとみられる。














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