
イスラエルの空爆により、レバノン南部がガザ地区のような壊滅的な状況に陥っていることが明らかになった。
国連開発計画(UNDP)とレバノン政府傘下のレバノン国家科学研究評議会(CNRS)は22日(現地時間)、イスラエル軍によるレバノン南部への空爆で、建物の被害額が13億8,000万ドル(約2,233億4,800万円)に上るとする報告書を公表した。
報告書によると、レバノン南部では1万1,097棟の建物が完全に破壊され、1万9,891世帯が住居を失った。また、2,242棟が一部損壊し、5,219世帯が被害を受けたという。
ただし、今回の評価は、リタニ川以南を対象に4月29日に撮影された高解像度の衛星画像と、昨年10月に撮影された画像を比較して行われた。このため、その後に発生した空爆による被害は反映されていない。また、道路や橋、電力、水道、通信網といった主要インフラへの被害も算定に含まれておらず、実際の被害額はさらに膨らむ可能性がある。
人的被害も深刻化している。レバノン保健省によると、これまでに4,106人が死亡し、1万577人が負傷したほか、100万人以上が避難を余儀なくされたという。

イスラエル、ヒズボラ掃討名目に南部空爆を拡大
これに先立ち、イスラエルは3月2日以降、親イラン武装組織ヒズボラの掃討を名目にレバノン南部への攻撃を強化し、砲撃や住宅の破壊を進めてきた。特に、パレスチナ自治区ガザ地区で実施した作戦と同様の手法で、レバノン南部の集落に対する徹底的な破壊作戦を展開したとされる。
イスラエル軍はまず空爆によって集落を破壊した後、重機を投入して瓦礫の撤去を進め、住民が再び戻れない状況を作り出しているという。
実際、4月14日と23日にエアバスが撮影した衛星画像では、レバノン南部のビント・ジュベイル地区が攻撃前後で大きく様変わりしていることが確認できる。密集していた数百棟の住宅は空爆によって灰色の瓦礫と化し、その数日後には完全な廃虚となっていた。

イスラエル、「ラファモデル」でレバノン南部を破壊か
これは、イスラエルがこれまでガザ地区で展開してきた作戦と類似している。軍事専門家の間で「ラファモデル」と呼ばれるこの手法は、イスラエル軍がラファやベイト・ハヌーンで実施したもので、ハマスなどの敵対勢力の脅威を排除する名目のもと、対象地域の建物やインフラを徹底的に破壊する作戦を指す。
ラファとベイト・ハヌーンはそれぞれガザ地区の南端と北端に位置する都市で、過去2年8か月にわたり、イスラエル軍による攻撃でほぼ壊滅状態に陥った。
一方、22日に行われた米国とイランの追加協議では、新たな「レバノン衝突防止メカニズム」の創設で合意した。これは、イスラエル軍とヒズボラの偶発的な武力衝突を防ぎ、停戦管理を目的とする新たな国際的枠組みとされる。
この枠組みにはイスラエルは参加せず、米国、イラン、レバノン、カタール、パキスタンが中心となり、ヒズボラを支援するイランが直接関与して監督・統制に当たる点が特徴とされる。
しかし、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、イスラエル軍がレバノン南部に引き続き駐留するとの立場を崩していない。













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