
欧州連合(EU)やオランダ、ドイツ、ギリシャが、米国が主導する人工知能(AI)関連の技術の供給網の強化の取り組みである「パックス・シリカ」に参加することにしたと、英フィナンシャル・タイムズ(FT)が23日(現地時間)に報じた。これは、西側とその同盟国が、中国との競争の激化に直面したことを受けたものだ。
今回の参加は23日、ワシントンで開かれた「パックス・シリカ」首脳会議の開幕式で発表された。米国務省の経済担当次官で、安全保障イニシアチブの設計者であるジェイコブ・ヘルバーグ氏は、アルゼンチン、チリ、コスタリカ、カザフスタン、パナマも今週参加し「パックス・シリカ」の参加国が計24カ国になると述べた。
米国は、半導体や重要鉱物からエネルギーに至るまで、あらゆる分野でAIの供給網を確保するため、昨年「パックス・シリカ」を立ち上げた。ヘルバーグ氏は、主要7カ国(G7)や主要20カ国・地域(G20)のようなグループが、AIの革新を促進するためのネットワークの構築に適していないという認識から「パックス・シリカ」が誕生したと説明した。ヘルバーグ氏は「AIが世界経済の形を変革している今、AI経済を管理するために特別に構築されたグループは存在しない」と述べた。
ヘルバーグ氏は「パックス・シリカ」が、どの政策がAI開発を促進すべきかに関する「世界的な議論」の時期に、革新を促進すると述べた。ヘルバーグ氏は「デジタル主権」を強調する国連の「グローバル・デジタル・コンパクト」のようなイニシアチブに対する、米国の代替案を「形成する」とし、世界的なデジタルのイニシアチブは、各国の重複した投資を招くと指摘した。ヘルバーグ氏は「結局、ある種の同期された平凡さに陥ることになる」とし「イノベーション主権」に焦点を当てるべきだと付け加えた。
ヘルバーグ氏は今週、20カ国以上が、AIエコシステムを形成するために、信頼できるパートナーの必要性を説明する「パックス・シリカ宣言」に署名すると述べた。
米国が「パックス・シリカ」を利用して自国の利益を増進すると考える国々をどう説得するのかという質問に対し、ヘルバーグ氏はイスラエル、シンガポール、アラブ首長国連邦(UAE)を挙げた。UAEは米国の技術を使って成功した地場の技術企業を育てたとし「これらの国々は自国の能力をはるかに超える成果を上げており、これは強力な反論の事例になる」と述べた。
米国は、レアアースへの中国の依存度を急激に減らそうとしている時期に「パックス・シリカ」に注力している。
ヘルバーグ氏は、中国が米国の友好国に対してパックス・シリカに加わらないよう圧力をかけているのかについては明言しなかった。その一方で、中国の一帯一路構想は透明性に欠け、資金の使い方も非効率で、途上国を「債務のわな」に陥らせるものだとして、パックス・シリカとは大きく異なると説明した。
ヘルバーグ氏は「スティーブ・ジョブズが言ったように、世界中の数十億人のユーザーを魅了し、喜ばせることが、我々が超大国になる秘訣だ。だからこそ、我々が行うべてのことに、民間企業と連携して取り組む必要がある」と述べた。
ヘルバーグ氏は、AIの革新を支援するために、スタンフォード大学と覚書を締結し、米国の教育システムの「主要なギャップ」を埋めるために、製造業に焦点を当てた新しいカリキュラムを作ると述べた。
ヘルバーグ氏は、米国とカザフスタンが、鉱物安全保障の機会を拡大するために、カザフスタンに経済安全保障区域を設立するとし「我々は中央アジアと新しいパートナーシップを構築しようとしている。歴史的に、米国は中央アジアから完全に排除されていた」と付け加えた。
ヘルバーグ氏は、これは米国がフィリピンに創設する経済区域と類似すると述べた。この経済区域は、投資家により多くの規制や法的な安定性を提供するよう設計されている。ヘルバーグ氏は、フィリピンのプロジェクトの最大の課題は虚偽情報だとしたが、これは、フィリピンが主権を米国に従属させているという一部の団体の批判を指したものだ。
ヘルバーグ氏は「経済安全保障区域が成功するには、投資家に法的な確実性と予測の可能性を提供しなければならない。そうでなければ成功しない」と強調した。













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