
イスラエル軍がレバノン南部に設けた緩衝地帯の一部から部隊を撤収したと、米国務省当局者の話としてロイター通信が25日(現地時間)に報じた。しかし、イスラエルとレバノン両国はこれを否定しており、撤収の有無を巡って双方の主張が食い違っている。
ロイター通信によると、この当局者は「イスラエルはヒズボラとの戦闘で占領したレバノン南部の一部地域から撤収した」とし「今後はレバノン軍が当該地域に展開すべきだ」と述べたという。ただし、イスラエルが撤収した地域の範囲や具体的な場所については明らかにしなかった。
当局者は「イスラエルは緩衝地帯の一部から部隊を後退させるという具体的な措置をすでに講じており、これはレバノン政府に対する重要な善意の表れだ」と説明した。また「この枠組みはレバノン南部全域へ拡大される見通しで、避難住民の安全な帰還や南部地域の復興、レバノンの完全な主権回復につながる」との見方を示した。
これに対し、イスラエル側は報道内容を否定した。イスラエル政府高官は「報道は事実ではない」と述べ、レバノンの治安当局高官もイスラエル軍が南部の緩衝地帯から撤収した事実は把握していないと語った。
一方、マルコ・ルビオ米国務長官は前日、クウェートでレバノン軍が現在イスラエル軍の管理下にあるレバノン南部の一部地域へ展開し治安維持を担う試験区域の設置・拡大構想を強調した。
ルビオ長官は「レバノン軍が管理する地域が増えれば、その分ヒズボラの支配地域は縮小し、イスラエルも占領地域を減らしていくことになる。それが今回の交渉の核心だ」と述べた。
これに先立ち、イスラエルはレバノンから撤退しない方針を繰り返し表明している。AFP通信によると、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は24日「私が首相である限り、レバノン南部の安全保障地帯を維持する」と述べ、撤退する考えがないことを改めて強調したという。
また、イスラエルのカッツ国防相も「イスラエル国防軍は準備ができており撤退することはない。現時点で米国からレバノンからの撤収を求められてもいない」と語った。
同日もレバノン南部ではイスラエル軍による攻撃が続き、車両への空爆で2人が死亡した。親イランのレバノン武装組織ヒズボラは「停戦合意を公然と踏みにじる行為だ」と非難した。
イスラエルとレバノンは23日、米国の仲介の下で5回目の協議を開始した。両国は今年4月、米国の仲介により初の和平協議を開き、イスラエルとヒズボラの戦闘を巡る一時的な停戦で合意している。
しかし、今回の協議は先に締結された米国とイランの終戦に向けた了解覚書(MOU)への不満などが影響し、歴代最も成果に乏しい協議となっているとタイムズ・オブ・イスラエルが報じた。













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