米陸軍、基地用地を民間企業に貸与 重要鉱物の加工施設を建設・運営 ドローンや防弾服向け資源確保へ

米国が軍用地を活用して重要鉱物の供給網強化に乗り出した。ユタ州とテキサス州の米軍基地に鉱物加工施設を整備し、中国への依存度を引き下げる狙いだ。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が26日(現地時間)に報じたところによると、米陸軍は全米の軍基地用地を民間企業に貸与し、重要鉱物の加工施設を建設・運営できるようにしたという。米陸軍のデイビッド・フィッツジェラルド次官補は「重要鉱物を巡る米国と同盟国の供給網をより強固で強靱なものにすることが最大の目的だ」と説明した。
米陸軍は最近、タイタン・マイニング、エナジーエックス、アイオニア、リアロイの4社と長期賃貸契約を締結した。防衛に不可欠でありながら中国が生産・加工で大きな影響力を持つ重要鉱物の加工・精製を進めるためだ。
今回の契約は準備段階にあたり、ドローンから防弾服まで幅広い装備に必要な鉱物を安定的に確保することを目的としている。企業側は賃料の代わりに、加工した鉱物の一定割合を米陸軍へ供給する。4社による総投資額は約20億ドル(約3236億円)に上る見通しだ。
設計から運営まで企業が担当、2028年の生産開始を目標
各企業は加工施設の設計、建設、運営を担当する。タイタン・マイニングはアラバマ州またはアーカンソー州の基地で黒鉛を精製し、エナジーエックスはテキサス州のレッドリバー陸軍基地でリチウムの精製を開始する。アイオニアはホウ素、リアロイはレアアースを、それぞれユタ州の軍施設で加工する計画だ。

各社は来年から施設建設を開始し、2028年の生産開始を目指している。米陸軍のジェフ・ワックスマン次官補は「時間との勝負だ。中国がいつでも鉱物供給を止める可能性がある」と危機感を示した。WSJによると、中国はレアアースや黒鉛の加工能力の約90%、リチウムイオン電池生産の約70%、世界のホウ素化合物の少なくとも80%を握っているという。
一方で、懐疑的な見方もある。新たな軍基地内施設の建設には3,000万~5,000万ドル(約48億5,400万~80億9,000万円)が必要となるほか、環境影響評価も実施しなければならない。
防衛技術企業ライビーの主席研究員、アルビン・カンバ氏は「利益率が低く、政府補助金がなければ初期投資が大きすぎるため、事業として採算が取れないケースが少なくない」と指摘した。その上で「中国でこうした事業が成り立つのは、世界有数の工業大国だからだ」との見方を示した。














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