
米議会が、メルク、アッヴィ、ファイザーなど世界的製薬会社5社の中国内での臨床試験について、国家安全保障上の懸念を理由に調査に着手した。これらの企業が中国で実施した臨床試験が中国軍の能力強化に寄与したのではないか、また倫理・人権面で問題がなかったのかを確認する方針だ。
30日(現地時間)、ロイター通信によると、米下院の中国特別委員会は、メルク、アッヴィ、イーライリリー、ファイザー、ブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMS)に書簡を送り、中国内での臨床試験に関する資料の提出を求めた。
共和党のジョン・ムーレナー委員長をはじめとする下院中国特別委員会の議員らは、書簡の中で、各製薬会社に対し、中国内の臨床試験施設に対する実査手続き、データ保護体制、倫理基準などを7月17日までに提出するよう要求した。特に、これらの企業が新疆ウイグル自治区や中国軍関連の病院・医療センターで実施した試験が重点的な調査対象となっている。
同委員会は、新疆地域について、中国当局によるウイグル族など少数民族弾圧の中心地だと指摘し、中国内の一部研究過程では、臨床試験参加者の同意取得に問題があったと主張した。また、中国軍の病院で先端バイオ技術に関する臨床試験を行う場合、米国企業の知的財産が中国軍に移転される危険性があると懸念を示した。
同委員会は「企業が違法行為や不正行為に関与した証拠があるわけではない」としながらも、「中国内での臨床試験は、米国企業を倫理的・安全保障上のリスクにさらす」と述べた。
同委員会によると、メルクは2005年以降、中国で224件の臨床研究を支援または共同実施しており、そのうち少なくとも31件は新疆地域で、40件は中国軍関連の医療機関で行われた。アッヴィも2007年以降、中国で100件を超える臨床研究に関与しており、このうち少なくとも17件は新疆、16件は軍関連機関で実施されたという。
これに対し、メルクは「患者の安全と研究倫理を最優先にしており、すべての国際基準を遵守している」との立場を示した。一方、アッヴィは関連するコメントを拒否し、ファイザーは委員会からの書簡を受け取った事実のみを確認したと、ロイターは伝えている。
在米中国大使館は、同委員会の今回の措置について「信頼できる内容がない」とし、貿易や技術問題を政治化することに反対すると表明した。
ロイターは、同委員会の今回の調査について、「中国のバイオ産業に対する米国の警戒が、臨床試験分野にまで拡大していることを示している」と伝えた。














コメント0