
米連邦最高裁判所は、米国で生まれた子どもに自動的に米国籍を与える「出生地主義」を制限するドナルド・トランプ米大統領の措置について、違法との判断を示した。
これに先立ち、相互関税をめぐる措置も違法と判断されており、トランプ政権の看板政策である反移民政策にも司法の歯止めがかかったことで、政治的打撃は避けられないとの見方が強まっている。
最高裁は30日(現地時間)、裁判官6対3の多数意見で、トランプ大統領が出した出生地主義を制限する大統領令を無効と判断した。トランプ大統領は2期目就任初日の2025年1月20日、不法滞在者や留学生など一時的に滞在する外国人の親から米国で生まれた子どもに、自動的な米国籍の付与を認めないとする大統領令に署名していたが、最高裁はこの措置を違法と判断した。
ジョン・ロバーツ最高裁長官を含む5人の裁判官は、この措置が憲法修正第14条に反すると判断した。南北戦争後の1868年に採択された憲法修正第14条は、「米国で生まれ、あるいは帰化し、その司法権に属する者は米国の市民である」と定めている。
一方、ブレット・カバノー判事は、憲法違反ではなく連邦法に違反するとの判断を示し、多数意見に加わった。
最高裁は保守派6人、リベラル派3人で保守派が多数を占める構成だが、今回はリベラル派に加え、ロバーツ長官ら保守派の裁判官3人もトランプ大統領の大統領令は違法との判断を示した。
ロバーツ長官は判決文で、「市民権とは、過去も現在も、人々が享受してきた権利であり、私たちの政治共同体に自由に参加する権利を意味する」と述べた。その上で、「憲法修正第14条の起草者たちは、この約束を『この土地で自由に生まれたすべての人』にまで広げた。私たちは今日、その約束を守る」と強調した。
一方、クラレンス・トーマス判事ら残る保守派3人は反対意見を示した。サミュエル・アリート判事は「今回の判決は重大な誤りだ。『出産ツーリズム』を目的に渡米した外国人の子どもにまで米国籍を認めることになる」と指摘した。最高裁は今回の判決の重要性を踏まえ、194ページに及ぶ判決文を公表した。
トランプ大統領は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」に、「最高裁の判断は米国にとって大きな不幸だ」と投稿し、議会に対し立法によって出生地主義の制限を実現するよう求めた。
しかし、最高裁が違法との判断を示したことを受け、議会が関連法案の成立に動く可能性は事実上低いとの見方が大勢だ。また、出生地主義の廃止による影響が懸念されていた米国在住の日本人にも、今回の判決は大きな混乱を回避する結果となりそうだ。
なお、最高裁は同日、最高裁は、トランスジェンダーの女子生徒による女子スポーツへの参加を禁止する一部州法について、合憲との判断を示した。














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