
セルフスタンドで気をつけたい給油ミス
ドライバーが自分で給油するセルフ式ガソリンスタンドが増え、自分で車に燃料を入れることも一般的になった。ただ、危険物を扱う場所である以上、何気なくしてしまいやすいミスもある。自動停止後の追加給油、静電気除去パッドへの未接触、給油レーンでの後退、油種の取り違えなど、セルフスタンドで避けるべき代表的な行動を整理した。
セルフスタンドはなぜ増えたのか
かつては燃料が危険物であることから、資格を持つ従業員だけが給油できたが、1998年の法改正でセルフ式ガソリンスタンドが認められ、状況が変わった。2025年3月末時点で、全国のセルフスタンドは1万312カ所に達しており(日本エネルギー経済研究所石油情報センター調査)、多くのドライバーが利用している。
都道府県別では、愛知県、埼玉県、福岡県でセルフスタンドの数が特に多い。車を停め、給油口を開けて燃料を入れる手順は単純に見えるが、実際には無意識のうちに起こしやすいミスがいくつもある。
給油中は思わぬミスが起こりやすい
まず注意したいのは、給油が自動で止まった後に燃料をさらに入れる、いわゆる過給油、つまり「ちょい足し給油」だ。給油ノズルの先端には検知口という小さな穴があり、ここに空気が入らなくなると満タンと判断して自動停止する仕組みになっている。構造上、実際に満タンになる前に止まる場合もあるが、追加給油は推奨されない。引火性の高い燃料があふれる危険があるため、自動停止後はそのまま静かにノズルを抜くのが安全だ。
ノズルを握る前に静電気除去パッドに触れないことも、避けるべき行動の一つだ。体にたまった静電気をあらかじめ逃がすための装置であり、夏場でも必ず触れてからノズルを握る必要がある。給油中はもちろん、敷地内での火気の使用も禁じられている。車内での喫煙(電子タバコを含む)だけでなく、静電気を発生させるおそれのある電子機器の使用も、できるだけ控えるべきだ。
給油機の前で急に移動したり、後退したりする行為も危険だ。給油口が給油機の反対側にあることに気づき、給油口側のレーンに並び直そうとするケースがあるが、これも望ましくない。適切な位置に停車すれば、反対側の給油口まで届くようホースの長さは十分に確保されているためだ。給油レーンでの後退は接触事故につながるおそれがあるため、移動が必要な場合はスタッフの案内に従うのが安全だ。
最も深刻なのは油種の取り違えだ
給油に慣れているドライバーでも起こしやすく、特に深刻なのが油種の取り違えだ。ガソリンと軽油を間違えて入れると、走行した場合にエンジンへ大きな損傷を与える。セルフスタンドでは一般的に、レギュラーガソリンのホースは赤、ハイオクガソリンは黄、軽油は緑で区別されている。特にSUVなどは、同じ車種でもガソリンモデルとディーゼルモデルが用意されている場合があり、自分の車に必要な燃料を事前に確認しておくことが重要だ。
誤給油してしまった場合でも、車を動かす前であれば対処できる。給油量にかかわらず、エンジンをかけずにスタッフへ知らせ、燃料タンクから中身を抜き取ってもらう必要がある。費用はかかるが、エンジンの故障を防ぐためには必要な措置だ。一方で、燃費の良いハイブリッド車の普及により給油の機会そのものが減り、こうした注意点を忘れてしまうドライバーも増えている。
セルフスタンドでの給油は、正しい手順を知っていれば難しい作業ではない。ただ、給油の頻度が減った分、小さな不注意が生じやすいのも事実だ。多くの人が利用する場所であることを意識し、自動停止後の追加給油、静電気除去パッドへの未接触、給油レーンでの後退、油種の取り違えといったミスを避け、安全に給油する習慣を身につけたい。













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