トランプ氏へのけん制か…中国の原子力潜水艦によるSLBM発射は「米国へのメッセージ」

中国の原子力潜水艦が太平洋で潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射実験を行い波紋を呼ぶ中、これは米国に向けたメッセージだとの分析が出ている。AP通信は9日(現地時間)、中国が南太平洋に向けて弾道ミサイルを発射したのは、核弾頭を搭載可能な兵器システムを試験した異例の事例であり、事実上、米国だけを念頭に置いたものだと報じた。
米シンクタンク「カーネギー国際平和基金」の核問題専門家、トン・ジャオ氏はAP通信の取材に対し、「最も重要なメッセージは、中国人民解放軍が極めて強力な戦略核戦力を備えた軍へと成長しているということだ」と指摘した。オーストラリアのクロフォード公共政策大学院のドミニク・ミアー研究員も、「今回の事例は、中国軍がいわゆる『第2撃能力』を保有していることを示している」と述べた。

第2撃能力とは、敵による先制核攻撃(第1撃)を受けて自国の安全保障施設が破壊された後でも、生き残った核戦力を運用し、敵に壊滅的な核報復を加えることができる軍事能力を指す。特に、原子力潜水艦は深海に潜航し、敵に位置を把握されにくいため、第2撃能力の中核を担う最も確実な戦力とされる。さらに、中国が核弾頭を搭載可能な弾道ミサイルを試験発射したことから、今回の発射は米国へのメッセージだとの見方が出ている。
AP通信はまた、今回の実験は太平洋諸国に過去の傷跡を思い起こさせるものでもあると指摘した。米国、英国、フランスはいずれも太平洋で核弾頭を爆発させており、その結果、環境汚染やがん、先天性障害などの健康被害が発生し、一部の島しょ国ではその影響が世代を超えて続いていると伝えた。
これに先立ち、中国人民解放軍海軍の王学猛報道官は6日午後0時1分、中国海軍の戦略原子力潜水艦1隻が太平洋の公海上で、訓練用の模擬弾頭を搭載したSLBM1発の発射に成功し、予定された海域に正確に到達したと発表した。王報道官は、「今回のミサイル発射実験は、中国の年間軍事訓練における定例日程の一環であり、関係国には事前に通知していた」と説明した上で、「国際法と国際慣行に合致しており、特定の国や目標を念頭に置いたものではない」と付け加えた。

この発表を受け、米国をはじめ、日本、オーストラリア、ニュージーランドは強く反発した。米国務省は、中国がミサイル発射の数時間前になって初めて米国側に限定的な通知を行ったとし、核保有国としての透明性を著しく欠いた無責任な挑発だと批判した。
一方、今回試験発射されたSLBMの種類にも関心が集まっている。中国国営メディアは、このミサイルはJL-2より射程が長いJL-3である可能性が高いと報じた。JL-3は中国海軍が保有する最も強力なSLBMで、射程は10,000kmを超え、米本土全域を直接攻撃できる能力を持つとされている。














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