
イエメンの親イラン武装勢力フーシがサウジアラビアに対する海上封鎖を宣言してから3日後、紅海でタンカーが発射体に当たり火災が発生した。フーシは封鎖令に違反したサウジのタンカー2隻を攻撃したと主張した。
英国海運貿易オペレーション(UKMTO)は22日(現地時間)、サウジ南西部の都市アルシュカイクから南西約70海里(約130km)離れた紅海でタンカー被弾の通報を受けたと発表した。
UKMTOによると、船長は正体不明の発射体が船舶を直撃し、船内で火災が発生したと報告した。乗組員は自ら消火作業を行い、現時点で人的被害や海洋汚染は確認されていない。当局は事故の経緯を調査中だ。
フーシはUKMTOの発表直後、「エンセリア」号と「ライラ」号を標的とした軍事作戦を実行したと明らかにした。この2隻がフーシの宣言した対サウジ海上封鎖に違反したため攻撃対象にしたという主張だ。
船舶情報会社の資料によると、エンセリア号は2003年建造のサウジ国籍石油製品運搬船で、ライラ号もサウジ国籍の原油タンカーだ。ただし、UKMTOが確認した被弾船舶がフーシの指摘した2隻のどちらなのかはまだ明らかにされていない。フーシが主張した2隻目の船舶の被害の有無も客観的に確認されていない。
封鎖宣言から3日後に初の船舶被弾
フーシは20日、「目には目を」という名分を掲げ、サウジ船舶を対象とした海上封鎖を即時実施すると宣言した。サウジ主導の連合軍がフーシ側の港と空港を封鎖し、最近サナア国際空港を攻撃したことを理由に挙げた。
サウジ主導の連合軍はフーシがサウジの航行とエネルギー施設を脅かせば、断固として対応すると警告した。フーシの主張が事実なら、今回の事件は封鎖宣言以降初めて船舶を直接攻撃した事例となる。
これに先立ち、フーシはサウジの港に向かう船舶と海運会社にも封鎖方針を通告した。実際にサウジ産原油を積んで中国とインドに向かっていたタンカー3隻は21日、イエメン沖を通過せず紅海で方向を変え、スエズ運河の方向に移動した。
今回の攻撃でフーシが警告にとどまらず、実際に武力行使に踏み切ったという懸念が高まった。フーシは過去にも弾道ミサイルや巡航ミサイル、自爆ドローン、無人水上艇を使って紅海とアデン湾を通過する商船を攻撃してきた。
ホルムズ回避の紅海原油ルートまで脅威に

紅海の不安定化は、ホルムズ海峡の運航支障を避けるため代替輸送路を稼働させているサウジにさらなる負担をかける可能性がある。
サウジは東部油田地帯で生産した原油を東西横断パイプラインを通じて紅海沿岸のヤンブー港に輸送できる。このルートはペルシア湾からホルムズ海峡を経由せずに原油を輸出できる重要な迂回路だ。
国際エネルギー機関(IEA)はサウジとアラブ首長国連邦(UAE)の代替パイプラインを活用すれば、湾岸地域の原油のうち1日約350万~550万バレルをホルムズ海峡の外に輸送できると推定している。
しかし、ヤンブー港から出航した船舶がアジアに向かうには紅海南端のバブ・エル・マンデブ海峡を通過しなければならない。フーシがこの海峡の制御を宣言した後、実際にタンカーを攻撃したことで、サウジのホルムズ回避戦略も脅かされることになった。
バブ・エル・マンデブ海峡の通航が困難になれば、船舶は紅海を北上してスエズ運河を利用するか、アフリカの喜望峰を迂回する必要がある。航海期間と輸送コストが増加し、保険料も上昇する可能性が高い。
サウジ政府は今回のタンカー被弾とフーシの攻撃主張についてまだ公式見解を示していない。フーシの追加攻撃とサウジの軍事的対応の有無によって、紅海がアメリカとイランの対立の新たな前線になる可能性があるとの見方が出ている。















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