「戦争が長引くほど兵器が売れる」THAAD発注“4倍”、米軍需企業の株価も急騰

イランを巡る軍事衝突を受け、武器・装備の発注が急増し、米国の防衛関連企業の売上高が伸びている。米国防総省は主要な防衛産業各社に対し、戦闘で消耗した備蓄を回復するため、生産能力の増強を求めている。
23日付の英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、ロッキード・マーティン、ノースロップ・グラマン、RTX(レイセオンの親会社)は、過去最大規模の受注残を記録した。
ロッキード・マーティンは、ミサイル部門の2026年第2四半期(4~6月)の売上高が前年同期比19%増の41億ドル(約6,706億1,700万円)になったと発表した。イランとの戦闘で使用されたパトリオットミサイルや精密打撃ミサイルの生産を拡大したことが要因だ。
同社は、米国ミサイル防衛局(MDA)から高高度防衛ミサイル(THAAD)の生産量を4倍に引き上げるための350億ドル(約5兆7,300億円)規模の発注を受け、受注残は2,300億ドル(約37兆6,200億円)に達した。
戦略国際問題研究所(CSIS)は5月、米国がイラン攻撃に伴い1,000~1,400発のパトリオットミサイルを配備し、ウクライナへの支援も重なったことで、発注面で深刻な滞りが生じていると指摘した。解消には2029年半ばまでかかるとの見通しを示した。
レイセオンの第2四半期の売上高も前年同期比18%増加した。
メリウス・リサーチのアナリスト、スコット・ミクス氏は「イランと米国の敵対行為により、RTXが供給するミサイルや迎撃ミサイルの在庫はさらに減少するだろう」と述べた。
また、国際的な需要も強く、レイセオンの受注残の48%を海外向けが占めていると指摘した。受注残の大部分は、パトリオット、AIM-120 AMRAAM、GEM-Tミサイルに対する需要で占められているという。
ロッキード・マーティンの株価は23日午前の取引で11%超上昇した。商用航空宇宙部門の売上高が大幅に伸びたと発表したRTXの株価も9%上昇した。
これに先立つ21日、ノースロップ・グラマンは、第2四半期に200億ドル(約3兆2,800億円)規模の契約を獲得し、受注残が1,050億ドル(約17兆2,000億万円)と過去最高に達したと発表した。
この中の76億ドル(約1兆2,500億円)は、米国の「核の三本柱」における地上配備型の構成要素であるセンチネル大陸間弾道ミサイル(ICBM)関連の契約だった。
米国防総省は、イランとの軍事衝突やウクライナへの支援によって減少した武器備蓄を補充するため、主要防衛企業に対して生産拡大を求めている。
こうした需要の高まりを受け、防衛各社では生産施設の拡張も進んでいる。
ロッキード・マーティンは5月、米アラバマ州で新たな生産施設の着工式を開いた。ノースロップ・グラマンやレイセオン、さらに主要防衛請負企業の一つであるL3ハリス・テクノロジーズも、製造施設の拡張に数十億ドル(数千億円)規模の投資を進めている。
RTXのクリストファー・カリオ最高経営責任者(CEO)は23日、「米国の国防予算要求額が1兆ドル(約163兆8,500億円)を超えたことを歓迎している」と述べた。
ロッキード・マーティンのジム・タイクレットCEOも23日、投資家向け説明で「受注が入る前から、製造能力や設計能力の拡大に投資している」と述べた。


















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