
【引用:日産】日産は、中国生産のPHEVピックアップ「フロンティアプロ」を2027年に豪州へ正式投入する決断を下した。BYD、GWM、フォードが相次いで電動化ピックアップを発表し、これまでディーゼル中心だった市場が急速に再編されつつある中、日産は従来モデルだけでは競争優位を維持できないと判断。ブランド内に新たな電動化の“軸”を据えることで、市場構造の変化に真正面から対応する姿勢を示した。

【引用:日産】フロンティアプロは1.5リッターターボとモーターを組み合わせたプラグインハイブリッドを採用し、システム最高出力300kW、最大トルク800Nmを発揮する。発進加速や中速域でのトラクションが重視されるピックアップ領域において、電動パワートレーンの強みがダイレクトに効くパッケージだ。EV走行距離は135kmと、このクラスのPHEVとして標準以上の性能を確保。さらに3500kgの牽引能力、電子制御式リヤデフロック、V2L機能など実用途に根ざした装備が揃い、中国勢が強めた“装備攻勢”への対抗策とも言える。

【引用:日産】インテリアは最新トレンドを忠実に反映し、10インチのデジタルメーター、14.6インチのセンター ディスプレイ、シートのマッサージ/ベンチレーション/ヒーター機能、アンビエントライトなどを搭載。近年の中国製PHEVピックアップが高い装備レベルを武器にシェアを拡大する中、フロンティアプロも“クラス随一の装備価値”を追求する方向性を鮮明にしている。既存のナバラでは対応しきれない競争環境に備え、日産は東風汽車との共同開発モデルを第二の柱として据える判断に至った。

【引用:日産】フロンティアプロ導入の背景には、競争力向上だけでなく、豪州で強化される排出規制への対応というもう一つの狙いがある。依然としてディーゼル需要が根強い市場で、ナバラとフロンティアプロを並行展開することで、ブランド全体の平均排出量を最適化し、規制負担を抑制する効果が期待される。加えて、BYD・GWM・奇瑞・JACなど中国ブランドがPHEVピックアップを連続投入し、豪州が“電動化ピックアップの実験場”と化す中、日産が電動ラインを拡張する必然性はより高まっていた。

【引用:日産】2027年前後の豪州ピックアップ市場は、電動化モデルが一気に本格参入し、競争は過去に例のないレベルへ突入すると見られている。フロンティアプロが今後どこまで現地化と熟成を進め、既存のナバラといかなる商品戦略を築くのかが、日産の豪州ピックアップ事業の成否を左右するだろう。同モデルの投入は単なるラインナップ補完ではなく、中国勢が主導する急速な電動化潮流に対し、日産が自ら切り込む姿勢を明確に示した一手といえる。














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