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2025年08月20日水曜日
ホームライフスタイル「今日もRedbull飲んでませんか?」エナジードリンク成分タウリンが白血病を悪化させる可能性、米研究チームがNature誌で警告

「今日もRedbull飲んでませんか?」エナジードリンク成分タウリンが白血病を悪化させる可能性、米研究チームがNature誌で警告

引用:GettyimagesKorea
引用:GettyimagesKorea

「レッドブル・エナジードリンク」や「モンスターエナジー」などのエナジードリンクに含まれているアミノ酸、タウリンが血液がんのリスクを高める可能性があるとの懸念が浮上した。

アメリカ・ロチェスター大学メディカルセンターのウィルモット癌研究所が主導し、学術誌『ネイチャーに最近発表した研究によると、代表的な血液がんである白血病の細胞が骨髄で生成されるタウリンを吸収し、細胞の成長に利用していることが明らかになった。

研究チームによると、白血病の細胞がタウリンを吸収すると解糖系(ブドウ糖を分解してエネルギーを得るプロセス)が促進され、がん細胞がこれを通じて成長するという。白血病には複数の亜型があるが、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、骨髄異形成症候群(MDS)を含む多くの亜型の成長にタウリンが不可欠であることが判明した。

タウリンは体内で自然に生成されるアミノ酸の一種で、骨髄、脳、心臓、筋肉などに存在する。肉や魚、卵などの食品にも含まれている。疲労や睡眠不足に悩まされるときに摂取されるエナジードリンクにも広く使用されている。中枢神経系を刺激して覚醒と集中力を高め、能率を向上させ、炎症を抑制するなどの利点があるとされてきた。

しかし今回の研究では、特にサプリメントやエナジードリンクを通じてタウリンを過剰摂取すると、がん細胞に追加の燃料を供給することになり、白血病を悪化させる可能性があることが示された。タウリンががん細胞の成長を促進する役割を果たすという事実は今回初めて明らかになったと研究者らは述べている。

研究は「SLC6A6」という特殊な遺伝子を持つマウスを対象に行われた。この遺伝子はタウリンを体内で輸送する役割を果たす。研究チームはマウスにヒトの白血病細胞を注入して反応を観察した。その結果、健康な骨髄細胞がタウリンを生成し、SLC6A6遺伝子がこれを白血病の細胞に運び、成長を促進することが判明した。

研究チームは、タウリンの摂取が白血病患者とエナジードリンク消費者に与えるリスクと利点を慎重に評価する必要があると強調した。

研究を主導したジビシャ・バジャージ博士は、脈絡が重要だと指摘した。

例えば昨年、海外メディア「セル」に掲載された論文では、タウリンが胃がんに効果的であるという証拠が示された。タウリンのサプリメントが免疫細胞であるT細胞を増加させ、胃がんの細胞を攻撃して治療に役立つことが確認された。

一方、今回の研究ではタウリンが白血病を悪化させる可能性があることが示された。

論文の共同著者であるがん専門医のジェーン・リースベルド博士は、「タウリンのサプリメントが一部の患者の免疫系強化に役立つという研究もあるが、今回の研究は骨髄のタウリン濃度が白血病の悪化に影響を与える可能性があることを示している。そのため、高用量のタウリンサプリメントの使用には注意が必要だ」と述べた。

研究チームは「タウリンはエナジードリンクの一般的な成分であり、がんの化学療法による副作用を軽減するためのサプリメントとしてもしばしば提供される。今回の研究結果から、白血病患者に対するタウリンサプリメントの利点を慎重に検討する必要がある」と論文に記した。

今回の研究の前向きな側面は、白血病の細胞へのタウリンの流入を阻止する方法が新たな治療法となる可能性が示されたことだ。

研究チームは遺伝子工学的な手法を用いてタウリンががん細胞に入るのを阻止することで、動物モデルとヒトの白血病細胞サンプルにおいて白血病の成長を抑制できることを確認した。

バジャージ博士は、タウリンの白血病細胞への流入を安定的かつ効果的に阻止する方法の開発が有益であると述べた。

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