
アメリカのニューヨーク大学(NYU)歯科大学の痛覚研究所のカーラ・マーゴリス教授の研究チームは、幼少期のストレスが生涯の腸の健康に与える影響とその原因を分析した結果を最近、国際学術誌『ガストロエンテロロジー(Gastroenterology)』に発表した。研究チームはマウスを用いた実験とアメリカおよびデンマークの児童数万人を対象とした大規模な疫学調査を並行して行い、これを証明した。
まず研究チームは、子供のマウスを毎日一定時間、母親と離してストレスを与えた後、成体になったときの状態を観察した。その結果、ストレスを受けたマウスは成長後も高い不安感を示しただけでなく、慢性的な腸の痛みや排便障害を抱えていた。注目すべき点は、性別によって症状が異なったことだ。雌のマウスは主に下痢の症状を示したのに対し、雄のマウスは便秘の症状を示した。人間を対象にした研究でも似た傾向が確認された。デンマークで生まれた子供4万人を15年間追跡調査した結果、妊娠中や出産後にうつ病を患った母親から生まれた子供は、乳児疝痛、過敏性腸症候群、慢性便秘などの消化器疾患を抱えるリスクが著しく高かった。また、アメリカの子供1万2000人を分析した結果でも、虐待や育児放棄など不遇な幼少期を過ごした子供ほど、9〜10歳頃に消化器症状がより深刻に現れた。
研究チームはストレスが腸に影響を与える具体的な経路も発見した。彼らは人間の体の「自律神経系」と幸福ホルモンとして知られる「セロトニン」の経路が腸の動きと痛みを調節する上で重要な役割を果たすことを明らかにした。
マーゴリス教授は「腹痛で来院した患者に対し、現在のストレスだけでなく、幼少期にどのような経験をしたのかを尋ねることが治療の鍵になる可能性がある」と述べ、「幼少期の成育歴が腸疾患の原因を把握し、患者に合わせた治療法を開発するための重要な手がかりになるだろう」と語った。














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