
電子タバコが、がんや心臓病、肺疾患に関連する数千個の遺伝子の活動に影響を及ぼす可能性があるとの研究結果が発表された。特にフルーツ風味の製品や、複数の香りを混ぜて使用するケースでは、遺伝子の変化がより顕著に現れるという。
デイリー・メールは2日、国際学術誌『Frontiers in Oncology』に掲載された研究で、電子タバコ使用者と、紙巻きタバコ・電子タバコのいずれも使用しないグループを比較した結果、3,124個の遺伝子の発現パターンに変化が確認されたと報じた。
研究チームは、電子タバコ使用者、紙巻きタバコの喫煙者、非喫煙者の計83人を対象に遺伝子の活動を比較分析した。その結果、電子タバコ使用者では、がんや心臓病、肺疾患などに関連する遺伝子が異常に活性化したり抑制されたりする現象が確認された。
遺伝子変化の大部分は、使用頻度よりも香料の種類や機器の特性に左右されるという。
フルーツ風味の電子タバコは、変化が確認された遺伝子の31%に関連していた。複数の香りを混合して使用した場合には、64.3%にまで上昇した。一方、甘い香りは2.9%、ミントやメンソール系は0.9%にとどまった。
また、高出力の充電式電子タバコ端末「MOD(モッド)」を使用するケースでも、遺伝子の変化がより顕著に現れることが分かった。
研究を主導した米南カリフォルニア大学のアフマド・ベサラティニア教授は「電子タバコによる生物学的変化が、ベイピング(電子タバコの使用)自体によるものなのか、それとも使用する製品によるものなのかが、重要な疑問だった」と述べ、「今回の研究は、香料と機器の特性が中心的な役割を担っている可能性を示唆している」と指摘した。
研究チームは、参加者の口腔粘膜の細胞を採取し、RNAシーケンシングを用いて数千個の遺伝子の変化を解析した。電子タバコ使用者は紙巻きタバコの喫煙者よりも遺伝子発現パターンの変動が大きく、人体への影響が予測しにくい可能性も示された。
追加分析では、こうした遺伝子の変化が、がんをはじめ内分泌系・消化器系・神経系の疾患に関連する生物学的経路と結びついていることが判明した。とりわけがん関連の経路との関連が最も強かった。
ただし、研究チームは「今回の研究のみで、電子タバコがんや慢性疾患を直接引き起こすと断定することはできない」とも強調した。研究の規模が限定的であることに加え、長期にわたる追跡調査ではないためだ。
それでも専門家らは、電子タバコは紙巻きタバコより害が少ない可能性はあるとしながらも、「決して無害な製品ではない」と警鐘を鳴らす。電子タバコのリキッドを加熱する過程では、ホルムアルデヒドなどの有害な化学物質が生成されることがあり、細胞損傷や炎症反応を引き起こす恐れもあるという。
研究チームは現在、電子タバコのリキッドのどの成分が遺伝子の変化を引き起こしているのかを調べる追加研究を進めている。同教授は「問題となる化合物を特定できれば、規制当局が製造業者に対し、該当成分の削減や除去を要求できるようになるだろう」と述べ、「潜在的な健康リスクを最小限に抑えられると期待している」と語った。













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