ジープ、大型SUV16万台をリコール
ドア周辺の装飾部品取り付け不良が原因
関連事故の報告はなし

ステランティス傘下のジープは、2022~2025年製の大型SUV約16万3,735台をリコールすると発表した。対象はワゴニア12万2,998台とグランドワゴニア4万737台で、ドア周辺の装飾部品(DLOトリム)の取り付け不良が原因となっている。
該当部品は米ミシガン州ウォーレン工場での組立工程において適切に固定されていないことが判明した。走行中にトリムが脱落した場合、外観が損傷するだけでなく、落下物が他車と衝突し二次事故につながる恐れがある。この状況を受け、米道路交通安全局(NHTSA)はリコールを承認した。
ジープによれば、現時点で事故の報告はないものの、今年8月までに405件の保証クレームが寄せられているという。対象車両の所有者には10月31日から通知が送付され、正規ディーラーで無償修理(トリムの再取り付け)を受けられる。

注目されるのは、リコール点検のためディーラーを訪れた顧客が、今秋公開予定の2026年型グランドワゴニア(マイナーチェンジモデル)を先行して確認できる可能性がある点だ。新型は電動SUVワゴニアSのデザイン言語を取り入れ、スリムなヘッドライトとライトバー一体型の7スロットグリルを特徴とする。さらに、新しい4xeハイブリッドパワートレインの追加も予定されている。
今回のリコールは重大事故にはつながっていないが、ジープは大型SUVの主力モデルであるワゴニアとグランドワゴニアのブランドイメージを守るため、先手を打ったとみられる。業界は2026年モデルの投入とともに、信頼回復が図れるかどうかに注目している。
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