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テスラへの反撃なるか?フォルクスワーゲンの電気ハッチバック「ID.2all」がカモフラージュ姿で目撃される

山田雅彦 アクセス  

フォルクスワーゲンの電気ハッチバック

ID.2allのプロトタイプが目撃された

欧州大都市の消費者層をターゲットに

フォルクスワーゲンが欧州中心の電気自動車(EV)戦略を本格化させ、小型ハッチバックEVの「ID.2all」プロトタイプを公開した。この車両は特徴的な青白のカモフラージュを纏って登場し、外観全体にID.ファミリーの最新デザイン言語が自然に融合している。過剰な演出なしに洗練されたプロポーションと実用性重視の設計が目を引き、量産開始が間近に迫っていることを示唆している。

ID.2allは文字通り「すべての人のためのID」を標榜し、フォルクスワーゲンの電動化戦略の最前線に立つモデルだ。既存のID.3がCセグメントを狙っていたのに対し、ID.2allはより小型で手頃な価格帯に設定され、欧州の大都市消費者層を狙い撃ちにしている。これによりフォルクスワーゲンはEVの大衆化に拍車をかけ、テスラモデル2のような潜在的競合との正面対決を予告している。

コンパクトながら

確かな存在感のあるデザイン

プロトタイプのフロントデザインはID.3に似た曲線を採用しつつ、よりコンパクトで俊敏な車体比率が特徴だ。リアデザインは直線と量感が交錯する構造で動的な印象を与えている。リアランプは横一列のデザインを採用し、安定感のある印象を醸し出している。カモフラージュに覆われているものの、ヘッドライトやホイールアーチの比率、キャラクターラインなどから、量産モデルに近い洗練されたディテールが垣間見える。ID.2allはフォルクスワーゲンが新たに開発したMEBエントリープラットフォームをベースに製造される。このプラットフォームは前輪駆動を中心に設計されており、室内空間の確保と部品の効率化に有利な構造を持つ。

予想される450kmの航続距離と約2万5,000ユーロ(約408万円)の価格設定は、欧州の消費者にとって現実的な選択肢となる可能性が高く、急速充電性能も期待を集めている。2023年に初公開されたID.2allコンセプトカーは、ポロよりも小さくゴルフ並みの広い室内空間を強調し、大きな注目を集めた。特に荷室容量は最大1,330Lに達し、10インチのデジタルクラスターと12.9インチのセンターディスプレイなど先進的なインフォテインメントシステムも搭載された。今回のプロトタイプはこのコンセプトを具現化したモデルで、洗練されたデザインでありながらも基本理念はそのまま継承する見込みだ。

発売が近づくにつれ

高まる期待

ID.2allは単なる一車種ではなく、フォルクスワーゲンのEVアイデンティティを再定義するプロジェクトと捉えられる。従来の内燃機関中心のブランドイメージから脱却し、「実用的なEV」という新たな価値提案への転換を図る試みの一環だ。小型車市場の電動化が加速する中、ID.2allは室内空間・価格・デザインの3要素をバランス良く満たすモデルとして注目を集めている。このモデルはルノー・5 E-Tech、プジョー・e-208、フィアット・500eなど欧州メーカー各社の電気ハッチバックと真正面から競合することになる。

競合モデルも都市型の走行性能とデザインを強調しているが、ID.2allは充実した航続距離と合理的な価格設定、フォルクスワーゲン特有のブランド信頼性を武器としている。また、最近欧州で複数のテスト車両が目撃されていることから、発売が徐々に近づいていることがうかがえる。今回捕捉された量産モデルは2025年の正式発売を目指して開発中であり、将来的には欧州を超えてグローバル市場への展開も視野に入れている。フォルクスワーゲンはこのモデルを通じて「誰もが手に入れられるEV」という理念を実現しようとしており、これはEV時代のゴルフを目指すという意味合いも持つ。プロトタイプの正式発表が近づくにつれ、消費者の期待はさらに高まっていくだろう。

山田雅彦
editor@kangnamtimes.com

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