引用:YouTube@ARKInvest2015

「マネーツリー姉さん」として知られるキャシー・ウッド氏が、約1年ぶりにTSMCの統計的な大量買いを行った。20日(現地時間)ブルームバーグによると、ウッド氏が率いるアーク・イノベーションは、主力ファンド「アーク・イノベーションETF」を通じてTSMCの米国預託証券(ADR)12万3,587株を、「アーク・ネクスト・ジェネレーション・インターネットETF」を通じて7万4,189株を取得した。

ADRとは、米国の投資家が海外企業の株式を容易に売買できるよう作られた領収証券である。投資家は米ドルで取引でき、株式の代わりに証券を売買する形態であるため、為替や規制の問題において海外直接投資よりも利便性が高いとされる。同日のTSMC ADRの価格が約978ドル(約14万640円)であったことを考慮すると、ウッド氏の購入規模は1億9,340万ドル(約278億1,182万2,741円)に達すると見られる。

ウッド氏は2023年下半期から、エヌビディアやTSMCなどのハイテク株を継続的に売却してきた。株価が大幅に上昇し、投資家の間で高値感が広がっていた時期だ。米中貿易摩擦やグローバルサプライチェーンの問題、インフレ圧力が加わり不確実性が高まったため、先手を打って一部の持ち株を売却し、リスクエクスポージャーを調整したと解釈されている。ハイテク株は株価収益率が高いため、市場下落時には下落幅も大きくなりやすいためだ。

引用:グーグルファイナンス
引用:グーグルファイナンス

ウッド氏の今回のTSMC大量購入は、アーク・イノベーションの戦略的転換点だとの分析が出ている。近頃は、ドナルド・トランプ米政権が中国との関税休戦を宣言し、リスクプレミアムが低下。TSMCも米国内の工場増設や、日本、欧州との協力拡大などで政治リスクの分散を図っている。特に先週、トランプ大統領が中東訪問中にサウジアラビアやUAEと相次いでAI協力協定を発表したことも、好材料となった。米国のAIエコシステムがエヌビディアを中心に展開している以上、エヌビディアにチップを供給するTSMCの業績にも機伝が上ったといえる。TSMCはエヌビディアなど世界の半導体企業の主要ファウンドリー(委託生産)企業であり、AI関連半導体需要の増加は、直接TSMCの売上高と収益性改善につながる。

相次ぐ好材料にもかかわらず、TSMC株価はまだ高値を回復していない。台湾市場で昨年1月に1,160ドル(約16万6,813円)の最高値を記録したTSMCは、今年4月に780ドル(約11万2,167円)まで急落した。その後に反発し、同時は980ドル(約14万938円)前後で取引されている。下落幅の約半分を回復した計算だ。ウォール街の予測によれば、TSMC株価は今後12カ月でさらに11%上昇すると予想している。

太恵須三郷
太恵須三郷

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