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“消し忘れマイク”が暴いたトランプの本音…「プーチンは私のために交渉する」 “私的交渉”疑惑に波紋拡大

荒巻俊 アクセス  

引用:AFP通信
出典:AFP通信

米国のドナルド・トランプ大統領が18日(現地時間)、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は「私のために交渉したがっていると思う」と発言したことが、生中継のマイクを通じて明らかになった。プーチン大統領が応じた終戦交渉は、ノーベル平和賞を狙うトランプ大統領のためだと分析される。

CNNなどによると、トランプ大統領はこの日、ホワイトハウスでウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領との二国間会談後、欧州7か国首脳との多国間協議に先立ち、フランスのエマニュエル・マクロン大統領と話す中で「彼(プーチン大統領)は交渉を望んでいる。私のために交渉したがっていると思う」と語ったという。さらに「馬鹿げた話に聞こえるかもしれないが、分かるだろう?」と付け加えた。

トランプ大統領は15日、アラスカでプーチン大統領と首脳会談を行った。そしてこの日、ゼレンスキー大統領との首脳会談後の多国間協議で、ウクライナが領土の一部を放棄する条件で、米国とNATO(北大西洋条約機構)からウクライナへの安全保障を約束する交渉案を公表した。

トランプ大統領は「プーチン大統領はウクライナに対する(西側の)安全保障を受け入れることに同意した」と述べ、「我々はまた、現在の前線を考慮して領土交換の可能性について議論する必要がある」と語った。領土譲渡条件について「これは非常に悲しい状況だが、結局ゼレンスキー大統領とウクライナ国民がプーチン大統領と協力して決断しなければならない」と付け加えた。

いわゆる「ホットマイク」(マイクが意図せずに「オン(on)」の状態になっていること)で捉えられたトランプ大統領の発言は、こうした交渉条件を引き出した自らの手腕を誇示しようとする意図から出たものと解釈される。ただし、ホワイトハウスは当該発言の意味を問う現地メディアの質問に対し、特に立場を示さなかった。

引用:AP通信
出典:AP通信

会談に出席した欧州7か国の首脳たちは、交渉案を公表したトランプ大統領に一斉に賛辞を送った。英国のキア・スターマー首相は「今回の会談はウクライナと欧州の安全保障にとって歴史的な一歩になる可能性がある」と述べた。さらに「トランプ大統領が『NATO条約・第5条方式』の安全保障を示唆したことは、欧州が過去数か月間行ってきた取り組みと一致する」とし、「欧州は積極的に行動する準備ができている」と語った。

NATO条約の第5条は、加盟国への攻撃をすべての同盟国への攻撃とみなし、共同対応を取ることができる内容を含んでいる。トランプ大統領は、プーチン大統領が反対してきたウクライナのNATO加盟の代わりに、この条項のみを適用する方式をプーチン大統領に提案し、受け入れの意思を得た。

NATOのマルク・ルッテ事務総長は「ウクライナの安全保障に対する米国の支援提案は平和実現の突破口であり、すべてを変えるだろう」と述べ、「トランプ大統領が膠着状態を打開し、プーチン大統領を平和会談に成功裏に導いたことに感謝する」と語った。

トランプ大統領は賛辞に対し「私が終結させた6つの戦争では停戦がなく、すべてが終わった後の平和協定は達成可能であり、近い将来に実現できるだろう」とし、「今や私が関与したすべての戦争の中でこの戦争(ウクライナ戦争)だけが残っている」と主張した。続けて「次のステップは(ロシアを含む)3者会談だ」とし、「私はその仕事に集中しており、良い結果を期待している」と付け加えた。

ニューヨーク・タイムズ(NYT)はこれについて「欧州の首脳たちがこの日トランプ大統領に送った『賛辞の嵐(avalanche of praise)』は、トランプ大統領の閣僚たちほどではないにしても、彼らが明らかに『追従(flattery)』の教訓を学んだようだ」と皮肉った。

トランプ大統領に感謝を述べ、これまで反対してきた領土割譲問題についても議論する意向を示したゼレンスキー大統領に対しては「ゼレンスキー大統領も『常にトランプ大統領を称賛しなければならない』という教訓を得たようだ」と評した。

NYTはウクライナ戦争が解決できていない最後の戦争というトランプ大統領の主張についても「彼はすでにイスラエルとハマスの間で現在も続いている状況を忘れているようだ」と指摘した。

CNNは「ウクライナは強力な軍隊で将来のロシアの攻撃を抑止しなければならず、欧州は安全保障を脅かすロシアの脅威を解消しなければならないが、プーチン大統領はウクライナの領土を確保しつつ、ウクライナの西側編入を阻止しようとしている」とし、「迅速な平和を勝利として演出したいトランプ大統領は、これらすべての側面を調和させることができれば、ノーベル平和賞を受賞する資格が得られるだろう」と分析した。

荒巻俊
aramakis@kangnamtimesjp.com

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