エヌビディア初の自動運転車が道路を走行
時価総額1位を支えた「ルービン」もサプライズ公開

「将来、全ての自動車が自動運転となり、AIによって制御されるようになるだろう。自動運転車が巨大なロボティクス産業の一分野になることは疑いないと考えている」
エヌビディアのジェンスン・フアンCEOは、自動運転とAIデータセンター(AIDC)を軸とする次世代戦略を明らかにし「フィジカルAI」を巡る競争への本格参入を表明した。ドイツのメルセデス・ベンツと連携し、AIが主導する新たなモビリティ時代を切り開くとともに次世代AI半導体「ベラ・ルービン」を投入することでAI、自動運転、AIDCの分野で主導権を握る狙いを示した格好だ。
フアンCEOは米ネバダ州ラスベガスで開催される世界最大級の家電・IT展示会「CES2026」の開幕を翌日に控えた5日(現地時間)「エヌビディア初の自動運転車が実際に公道を走る段階に入ることをうれしく思う」と述べ「米国では第1四半期、欧州では第2四半期、アジアでは第3、第4四半期を予定している」と説明した。
フアンCEOはこの日の特別基調講演で、メルセデス・ベンツと共同で開発したエヌビディア独自の自動運転スタックを搭載した車両が実際に走行する映像も披露した。メルセデス・ベンツがハードウェア基盤を提供し、エヌビディアが2種類の自動運転(AV)スタック、安全ポリシーエンジン、無線アップデート(OTA)および運用を担うという。
フアンCEOは世界中の自動車メーカーが共通して利用できるAIベースの自動運転プラットフォームを目指す考えを示し、その中核技術としてAI自動運転システム「アルパマヨ(Alpamayo)スタック」を挙げた。これはエヌビディアが開発した次世代自動運転AIモデルで、カメラや各種センサーからの入力情報を統合し人間のように全体状況を把握・判断する仕組みだという。
従来の自動運転車は、想定された状況ごとに対応ルールをあらかじめ組み込む方式が主流で、予測困難な事象への対応に限界があると指摘されてきた。これに対しエヌビディアは状況を文脈ごとに判断する「推論AI」を導入し、加えて規制や安全性の検証に用いられる従来型のAVスタックも並行して稼働させ、相互に監視・補完する構成を採用したとしている。
エヌビディアはアルパマヨをオープンソースとして公開し、世界中の自動車メーカーやロボット開発企業が自由に活用できるようにした。GPUプログラミング標準「CUDA」を無償提供してエコシステムを拡大してきた過去の戦略を、自動運転分野でも再現する狙いがあるとみられる。
「考えるAI」時代を見据えたルービン

フアンCEOはまた、次世代AIDCの中核となる「ベラ・ルービン」アーキテクチャを披露し「現時点で最先端のAIハードウェアだ」と強調した。さらに「AIに必要な計算量が急激に増大しているという根本的な課題に対応するために設計した」と説明し「ルービンが本格的な量産段階に入ったことを正式に発表する」と述べた。
フアンCEOはAIモデルの規模が年々大きくなっていることを背景に、演算需要とエヌビディア製GPUへの需要が拡大しているとの認識を示した。ルービンはすでにアンソロピック、オープンAI、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)など主要AI企業やスーパーコンピュータ関連プロジェクトで採用が進んでいるという。
今回の発表はエヌビディアがAI、自動運転、AIDCという3分野において技術の「速度」と「標準」を主導していく意向を示したものと受け止められている。オープンソースによるエコシステム拡大と次世代半導体による演算性能の基準提示、さらには自動車をロボットとして再定義する構想を同時に打ち出したたとみられる。
















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