「キム・ジュエ氏が後継者なら、叔母のキム・ヨジョン氏と権力闘争も」
英紙テレグラフ、韓国国家情報院の第1次長を務めたラ・ジョンイル氏にインタビュー

北朝鮮のキム・ジョンウン国務委員長が娘のキム・ジュエ氏を後継者に指名した場合、叔母にあたるキム・ヨジョン朝鮮労働党副部長との間で激しい権力闘争が起きる可能性があるとの見方が示された。
韓国の国家情報院第1次長を務めた東国大学のラ・ジョンイル教授(元駐日・駐英大使)は14日(現地時間)、英紙テレグラフのインタビューで「ジュエ氏が父の後を継ぐことになれば、野心的で冷徹な叔母・ヨジョン氏の強い牽制に直面する可能性がある」と述べた。
国家情報院は最近、キム委員長と夫人のリ・ソルチュ氏の間で公に確認されている唯一の子どもであるジュエ氏について、後継者として「内定段階にある」との分析を示している。
一方、報道によると、ヨジョン氏はすでに党や軍部内で相当な支持基盤を築いており、事実上の「ナンバー2」と評価されているという。ジュエ氏は最近、公式行事に頻繁に同席し後継者教育を受けているとみられるものの、まだ10代前半にすぎず、政治的基盤は脆弱だとテレグラフは分析している。
特に、キム委員長が42歳と比較的若いこと、また後継者とされるジュエ氏がまだ10代前半であるにもかかわらず後継体制の整備を急いでいる背景には、健康不安説があると指摘された。
キム委員長は糖尿病や高血圧を患っているとされ、過度の飲酒や喫煙の習慣もあると伝えられている。2024年時点で体重は約140キロと推定される。父のキム・ジョンイル総書記も同様の疾患を抱え、70歳で心臓発作により死去した。
こうした事情から、キム委員長が死亡、あるいは職務遂行が困難となる事態が生じた場合、権力掌握をめぐる動きが活発化する可能性が取り沙汰されていると伝えられている。
米シンクタンクのスティムソン・センターが運営する「38ノース」の報告書は、キム委員長が突然死した場合に生じ得る体制の混乱や、潜在的な後継候補間の権力闘争の可能性について警鐘を鳴らした。
報告書は、短期的にはヨジョン氏のように政治的基盤が強固な人物が権力を継承する可能性が高いと分析した。一方、ジュエ氏やキム委員長の他の子どもについては、今後5~15年以内に後継者候補として浮上する可能性はあるものの、現時点では年齢が若すぎ、政治的立場も不安定だと評価している。
英紙テレグラフは、キム委員長の異母兄であるキム・ジョンナム氏の暗殺や、叔父のチャン・ソンテク氏の処刑といった粛清事例を挙げ、キム氏一族内で権力闘争が再燃する可能性があると指摘した。
ラ教授は「ヨジョン氏は、自身が最高指導者になれる機会があると判断すれば、ためらうことなくその機会をつかもうとするだろう」と述べ、「彼女の立場からすれば政治的野心を抑制する理由はなく、権力闘争が起きる可能性は高い」との見通しを示した。
ラ教授「キム総書記はキム・ジョンウンへの継承を最後に、世襲体制を終わらせようとしていた」
ラ教授はこれまで、キム総書記がキム・ジョンウンら子どもへの権力世襲体制を終わらせる構想を抱いていたものの、最終的には実現しなかったと主張してきた。
ラ教授によると、キム総書記は生前、健康な時期にも側近らから子どもの一人を後継者に指名するよう少なくとも二度以上進言されたが、これを拒否したという。
キム総書記は、最も現実的な解決策として「10人指導委員会」構想を描いており、キム氏一族は国家の象徴であり尊敬の対象として名目的な国家元首の地位にとどまり、日常的な国政運営には関与しない形が望ましいと考えていたとされる。
しかし、委員会に選ばれた人物同士が互いに信頼関係を築けなかったため、この構想は実行困難と判断されたという。
さらにラ教授は、キム委員長がキム総書記死去後、自らが独裁的な権限を掌握できると確信し、想定以上に激しい権力闘争を展開したと説明した。
その結果、キム・イルソン主席の弟や強大な影響力を持っていた継母、さらには異母兄弟姉妹といった有力な競争相手と激しく権力を争うことになったとラ教授は語っている。













コメント0