
ドナルド・トランプ米大統領がイラン政権の転覆を目的とした大規模な軍事攻撃の可能性を側近に伝え、イランの最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイ師は自らを含む最高指導部の暗殺に備えるよう命じたと、22日(現地時間)のニューヨーク・タイムズ(NYT)が報じた。
NYTが引用した米国政府関係者によると、トランプ大統領は18日ホワイトハウス危機管理室でイラン空爆計画を議論し、数日内に初期打撃案に重きを置いた。攻撃対象は、イラン軍の大部分を担当するイラン革命防衛隊(IRGC)本部から核施設、弾道ミサイル関連施設まで幅広く挙げられている。
初期打撃でもイラン指導部が核プログラムを放棄しない場合、トランプ大統領はハメネイ排除を目指した軍事攻撃の可能性まで視野に入れると伝えられている。
「イランのハメネイ、暗殺に備えよ」特命「指導部全員に4人まで連鎖継承序列」
同日NYTはイラン高官などの情報筋を引用し、ハメネイ師が国家安全保障責任者のイラン最高国家安全保障会議(SNSC)であるアリ・ラリジャニ事務総長をはじめとする側近や軍関係者に暗殺に備えるよう特命を出したと追加で報じた。
報道によると、ハメネイ師はイラン・イスラム共和国体制がいかなる軍事攻撃や標的殺害にも耐えられるよう保証する任務を下命した。また、自らが任命する軍指導部や政府の役職について、4段階の継承序列を指定し、指導部全員に最大4人の後任者を指名させた。
さらに、自身と通信が途絶えたり自らが殺害された場合に備え、意思決定を行える少数の最側近グループに責任を委譲した。
イラン指導部は、ハメネイ師が暗殺された場合、誰が職務代理として神政体制を管理するかを議論したとされる。候補リストの最上位には、ハメネイ師が国家を導く適任者として信頼しているラリジャニ事務総長が挙がり、その後にはモハンマド・バーゲル・ガリバフ議会議長が続いている。
このようなハメネイ師の非常対策の策定は、イランの高位軍事指揮体系を数時間で無力化した昨年6月のイスラエルの奇襲攻撃から得た教訓だとメディアは説明している。
当時休戦後、ハメネイ師はラリジャニ事務総長を国家安全責任者に任命し、戦争中の軍事業務を管理するために自身の政治顧問アリ・シャムハニ提督が率いる新しい国防委員会を創設した。
イラン、米国の攻撃迫る前提で…本格的戦争準備「米行政府内、『イラン政権交代』会議説も」
イランは米国の軍事攻撃を避けられず、打撃が迫っている前提で動いていると伝えられている。情報筋によると、イランはイスラエルを攻撃できるほど近いイラク国境西部の国境、米軍基地などが射程圏にあるペルシア湾南部沿岸に弾道ミサイル発射台を配置している。
イラン専門家であるジョンズ・ホプキンズ大学高等国際関係大学院(SAIS)のバリ・ナスル教授は「ハメネイ師は目の前の現実に対処し、自身が殉教者になると予想している」と述べ、「彼は戦争の結果、権力継承の状況が訪れることを認識しており、権力を分散させ、国家が継承と戦争の両方に備えるようにしている」と説明した。
ただし、トランプ政権内部では、空爆だけではイラン政権交代という目標を達成できるかについて疑念が提起されている。これまで米国は、イランが地下に建設した核施設を破壊するために特殊部隊を投入する案も検討したが、危険性から保留されているという。
これに関連して、ホワイトハウスのアンナ・ケリー副報道官は「トランプ大統領の考えについてメディアが推測することはできるが、実際に何をするかを知っているのは大統領だけだ」と説明した。
米国とイランは、26日スイス・ジュネーブで核交渉を再開する。イラン側の提案内容と会談の結果によっては、中東情勢は重大な分岐点を迎えると予測されている。
















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