
「2週間分の食料、医薬品、ガソリン、ろうそく、懐中電灯などを備えよ」
26日にスイス・ジュネーブで開かれる米国とイランの3回目の核協議を前に、交渉が決裂した場合の戦争に備える動きがイラン各地で広がっていると、ニューヨーク・タイムズなどが24日に報じた。多くの人が非常用バッグをまとめ、停電に備えて発電機を購入するなど、避難の準備を進めているという。SNS上でも、戦時下の対処法をまとめた情報が急速に拡散している。
昨年6月、イランが米国とイスラエルとの間で「12日間戦争」を経験した際、首都テヘランでは空襲を避けようとする市民が北部のカスピ海沿岸や近隣の山岳地帯へ避難した。これにより全土で深刻な交通渋滞が起き、通常なら4時間で移動できる距離の通過に丸1日かかったという。戦争が起きれば、昨年を上回る混乱に発展しかねないとの不安が根強い。
テヘランに住み化学者として働くサラさんは、戦争への恐怖で「気が狂いそうだ。この『リンボ(天国と地獄の中間地帯)』から抜け出す方法を知りたい」とニューヨーク・タイムズに語った。実業家のアミルさんも「世界最強の軍(米軍)との戦争になれば、各自が生き残りを考えねばならない」とし、危険が高まる中で家族を残して国外へ出られず、出張も取りやめたと述べた。
別のテヘラン市民サハンドさんは、低所得層にとって非常用バッグを用意すること自体がぜいたくに近いと訴えた。「家族には食料や医薬品を備蓄する余裕がない。どこへ隠れるべきか、そればかり考えている」とも明かした。イラン政府が明確な緊急対応計画を示していないことも、不満を増幅させているという。
一方、米国ホワイトハウスのキャロライン・レビット報道官は24日の記者会見で、外交を優先するものの必要であれば軍事力の行使も排除しないとの立場を改めて示した。報道官は、米国のトランプ政権にとって第一の選択肢は常に外交だとしつつ、必要であれば米軍の強大な軍事力を用いることもためらわないと強調した。
さらに、最終決定権者は常に大統領だとも述べた。ワシントン・ポストなどが、米統合参謀本部のダン・ケイン議長ら軍首脳がイラン空爆に反対していると報じたことに対し、否定する狙いがあるとみられる。
イランのアッバス・アラーグチ外相は同日、SNSのXで、相互の懸念を解消し相互利益を達成する前例のない合意に至り得る歴史的機会だとして、交渉妥結に期待を示した。ただ、平和目的の核利用の権利は放棄しないとも述べ、米国をけん制した。
















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