
サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)は11日、中国人民解放軍(PLA)に情報収集サービスを提供している中国の民間企業が、米国とイスラエルの合同軍事作戦でイランが攻撃された際、米軍のステルス爆撃機の無線信号を傍受したと報じた。
中国の浙江省杭州市に本社を置く防衛技術企業「靖安科技」は、人工知能(AI)を用いて米軍の軍事活動に関連する信号を検知したと主張している。
「旌旗」AIシステム、B-2・B-52の無線信号などを探知
同社によると、同社のAI監視システム「旌旗(ジンチー)」は、先月28日の作戦開始前に進められた米軍の戦力増強の動きを再構成したという。
このシステムは衛星画像、航空機の航跡データ、公開されている軍事資料などを統合し、輸送機の航路、偵察飛行パターン、軍事基地に配備された車両の種類、さらに空母打撃群の動きなどを分析する仕組みだ。
同システムは先月6日、公開情報の分析を通じて、イラン周辺地域で米軍の兵力配備が継続的に増加していることを把握したという。
同社は、この分析から米国が今年1月に中東でほぼ20年ぶりとなる最大規模の戦力増強に着手し、その規模はイラク戦争当時の配備を上回るとの結論に至ったと説明した。
米空軍は「エピック・フューリー作戦」2日目の1日、「ペトロ41」から「ペトロ44」までのコールサインが付けられたB-2Aステルス戦略爆撃機4機を出撃させ、山岳地帯に隠されたミサイル施設を含むイランの主要目標を攻撃した。
2日、靖安科技は公式SNSで、自社の旌旗システムが爆撃機の帰還飛行中に無線通信を探知したと明らかにした。
米軍は作戦中、公開通信回線での厳格な通信禁止を維持していたとされるが、何らかの通信が行われ、その信号を同システムが捕捉したという。
同社は検知した情報を基に飛行部隊の航路を再構築できたとし、その根拠となる音声データも公開した。
同社のウェブサイトによると、「旌旗」システムは実戦環境での戦略的早期警戒、軍事配備の監視、情報収集などを目的として設計されている。
SCMPは、このシステムが注目を集めたのは今回が初めてではないと伝えた。
中国の春節前には、台湾周辺や南シナ海付近を飛行していた複数の戦略爆撃機であるB-52ストラトフォートレスの無線通信も捕捉したと同社は主張している。
靖安、軍部と関連企業・未来はAI戦争
靖安科技は、中国の軍事機関と関連があるとされている。AI監視システム「旌旗」は、習近平国家主席が人民解放軍の情報支援部隊を訪問した際の春節特別番組でも背景映像として大きく映し出された。
2021年に設立された同社は、情報機関出身者のベテランや、アリババクラウド、ファーウェイ、バイドゥなどの主要な中国技術企業出身のエンジニアで構成されているとしている。
靖安の顧客には軍のほか、国家安全機関や公安当局、そしてNORINCOや中国航天科工集団(CASIC)などの国営防衛産業体が含まれる。
SCMPは、今回の無線信号の検知は情報収集や分析から作戦計画に至るまで、現代戦におけるAIの役割が急速に拡大していることを示す例だと指摘した。
また、ワシントン・ポストは、米軍が最近の中東作戦でアンスロピックのAIツールであるクロードとパランティアのメイブン・スマート・システム(MSS)を使用したと報じた。
これらのシステムは膨大なセンサーデータを分析し、標的の自動識別や脅威評価を行い、攻撃の提案を指揮官に提示することができる。
特に標的設定にかかる時間は大幅に短縮され、かつて最大72時間かかっていた作業が、現在では数時間にまで縮まったとされる。
防衛アナリストによると、最終的な目標は探知、評価、攻撃、そして再評価に至る全攻撃プロセスを数分以内に完了することだという。
SCMPは、将来の戦争ではAIが大国間の軍事競争における最も新しく、最も激しい競争分野の一つになるとの見方を示した。















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